■ESGの取り組み

バイク王&カンパニー<3377>は、環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)の視点に配慮した投資活動であるESGにおいて、女性活躍の推進を掲げている。多くの機関投資家が企業の女性活躍推進について企業の業績に長期的には影響があると考えているほか、機関投資家のESG投資は1兆円を超えて増加傾向にあることからも重要な取り組みと考えられる。なお、同社においては女性が活躍できる職場環境の整備に積極的に取り組むことで、性別・国籍・年齢等に関係なく、多様な人財が個性を生かし活躍することで新たな価値や競争力を生み出し続ける会社を目指している。この実現に向け、同社の女性活躍に必要なワーク・ライフ・バランスの推進について、行動計画を策定。直近の事業年度における管理職に占める女性の割合は全国平均の5.7%と同水準であるものの、採用した労働者に占める女性労働者の割合や労働者に占める女性労働者の割合は低い。

同社は目標として、(1)採用した労働者に占める女性労働者の割合を20%にし、かつ、女性管理職の割合を8%にする。(2)育児休業、介護休業取得後や柔軟な働き方のニーズに合わせてより一層社員が定着するように時間短縮制度の拡充や短時間正社員制度の導入を行う。(3)時間外労働の縮減や年次有給休暇の取得促進を図り、労働環境を整備する。などを挙げている。足元では、採用活動時の会社紹介コンテンツ、採用ホームページ等において活躍する女性社員を積極的に紹介しているほか、安心して永く勤務し続けることのできる福利厚生制度の充実に向け、制度設計・施行を図っている。そのほかにも、短時間正社員でも活躍できる職種や業務等の調査を実施しているほか、社員の成長を応援するために能力を最大限発揮できる人事制度(昇進基準、育成プログラム)の企画立案を行うといった取り組みを進めている。

また、同社は、コーポレート・ガバナンスにおける意識も高く、比較的早い段階で監査等委員会設置会社に移行するなど、持続的な成長と中長期的な企業価値向上に資する迅速・果断な意思決定の遂行に向けたコーポレート・ガバナンス体制の強化に取り組んでいる。現在、取締役会は、2名の社外取締役を含む7名の取締役により構成。構成員の過半数を社外取締役とする監査等委員会を設置することで、社外取締役による業務執行の監督機能の充実およびモニタリング機能の強化により、コーポレートガバナンス体制の一層の充実とさらなる企業価値の向上が図れると判断している。

そのほか、コロナによる影響で販路を失った野菜の価値に注目し、野菜生産者の支援と従業員支援の観点から、これらの野菜を購入するとともに、従業員もしくはその家族に支給するといった「野菜生産者を支援する取り組み」を行っている。創業より、不法投棄や放置されるバイクの価値を見出しリユースを促す観点からバイクの買取業務を始めており、他にどのような社会貢献ができるのかについて検討した結果、創業当時における同社ビジネス起点および理念の観点から、学校給食などの中止により廃棄される可能性のある野菜を購入し、野菜を必要とする人たちに繋げる取り組みにつながっている。また、この取り組みにおいては、野菜生産者支援の一助になると考えるとともに、厳しい環境下にありながら感染防止に配慮しながら業務に従事している全従業員もしくはその家族に対し野菜を配送にて支給することで、健康管理や外出自粛のサポートすることを目的としている。今後も、政府や各自治体等において検討されている経済支援策だけではない、同社にできる支援策を実施していくとしている。

(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)




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情報提供元: FISCO
記事名:「 バイク王 Research Memo(7):女性が活躍できる職場環境の整備や、コロナの影響で販路を失った野菜生産者を支援