a) 中核のクリエイティブビジネスの売上高 前期比2.0%減の37,147百万円とわずかに減収となった。注力する「ディスプレイ製品」がコロナ禍の影響(販促活動の制限等)を受けながらも順調に伸びた一方、「ペンタブレット製品」や「モバイル製品」が低調に推移した。「ディスプレイ製品」は、2019年1月にリリースした16インチサイズのエントリーモデルが通年寄与したほか、7月にリリースした22インチサイズのシリーズや2020年1月にリリースした13インチサイズの初心者向けモデルも立ち上がってきた。一方、「ペンタブレット製品」はプロ向けモデルがリリースから3年が経過したこともあって減速傾向にあるほか、中低価格帯モデルについても、1)他社からの価格攻勢が激化していること、2)「ディスプレイ製品」へ需要がシフトしていること、の2つの要因により苦戦が続いている。もっとも、2)については、同社の戦略的な経営資源のシフトを背景とした「ディスプレイ製品」の伸びで吸収しているとの見方もできるだろう。また、「モバイル製品」についても、製品ラインアップを更新したものの、製品ライフサイクルの後期に入ってきた既存製品の停滞により大幅減収となった。ただ、今後の5G導入等に伴うプロユースの変化を新たなビジネス機会として捉えており、現状は移行期としての側面が強いようだ。
b) コンシューマビジネスの売上高 前期比43.7%減の1,326百万円となった。マイクロソフトとの共同開発によるウィンドウズインク対応のスタイラスペンの新製品※を2019年6月にリリースしたが、売上高は引き続き低調に推移した。
c) ビジネスソリューションの売上高 前期比20.8%減の4,114百万円となった。金融機関など法人向けに液晶サインタブレットや液晶ペンタブレットの拡販に努めたものの、市場動向や競争激化の影響により低調に推移した。特に、前期に大型案件獲得があった米国での反動減をはじめ、欧州やアジアなどで減収となった。