■クリエイト・レストランツ・ホールディングス<3387>の主なトピックス

1. 新たな経営理念の策定
2019年5月をもって創業20周年を迎えたことを機に、今後の10年後、20年後のグループの方向性を見据えて、新たな経営理念を策定した。特徴的なのは、「グループ連携経営」をさらに進化させるとともに、世界への展開やイノベーションをより意識した内容となっていると言える。

2. M&Aの実績
今後の成長戦略の軸であるM&Aについては、グループ全体で4件を実現するに至った。特筆すべきは、比較的大型案件がそろっていることに加え、新しいビジネスモデルの獲得(コントラクト事業への参入やセントラルキッチンの運用など)や地方中核拠点の獲得、老舗優良ブランド/エッジの効いたMD、北米でのプラットフォーム獲得など、それぞれに狙いがはっきりしているところであり、これらにより事業ポートフォリオが大きく強化されることが期待できる。

(1) クリエイト・スポーツ&レジャー
2019年6月26日に、社員食堂や学校給食、ゴルフ場レストランなどの様々なシーンでフードサービスを提供している西洋フード・コンパスグループの一部レストラン事業(スポーツ事業及びレジャー事業)を取得(買収後、クリエイト・スポーツ&レジャーに社名変更)。クリエイト・スポーツ&レジャーは、引き続き、スポーツ事業(ゴルフ場内レストランの受託運営)及びレジャー事業(保養所、研修所、ホテルの運営・施設管理、テーマパークや商業施設内レストランの受託運営等)を展開する。同社の狙いは、1)コントラクトサービス(受託運営)事業への本格的な進出、2)業界NO.1のシェアを誇るゴルフ場内レストラン(受託運営)事業の更なる拡大、3)投資負担のない受託型ビジネスの展開による事業ポートフォリオの質的向上(安定的なキャッシュフローの獲得)などにある。2019年9月1日に連結化され、店舗数は124店舗(スポーツ事業89店舗、レジャー事業35店舗)に上る。

(2) いっちょう
2019年9月2日には、北関東を中心に和食レストラン「いっちょう」(41店舗)や焼き肉「萬家」(5店舗)を展開するいっちょうの全株式を取得(2019年10月1日より連結化)。1)長年培ってきた競争力のある独自のビジネスモデルの獲得、2)同社グループとして初となるセントラルキッチンの運用ノウハウの取り込み、3)ロードサイド立地における大型店舗網獲得による安定的な売上及び収益の増大などに狙いがある。

(3) Il Fornaio
2019年9月12日には、北米(カルフォルニア州など)にてイタリアンレストラン「イルフォルナイオ」(20店舗)を展開するIl Fornaio(America)LLCを取得(2019年9月30日より連結化)。1)北米事業の安定的な収益獲得、2)CRNYの運営店舗との連携、3)同社グループが保有するブランドの北米展開、4)他のレストランブランドの積極的なM&A等の足掛かりなどに狙いがある。

(4) クルークダイニング
2019年5月30日には、同社グループのSFPホールディングスが長野県にて「からあげセンター」等の飲食店を展開しているクルークダイニングのほぼ全株式を取得(2019年7月1日より連結化)。SFPホールディングスが進めている「SFPフードアライアンス構想」の一環として位置付けられ、1)地方中核拠点の獲得、2)人材の確保、3)他の提携先を含めたシナジー創出などに狙いがある。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)




<ST>

情報提供元: FISCO
記事名:「 クリレスHD Research Memo(4):創業20周年を迎え、新たな経営理念を策定