「IoT製品に搭載するICチップ一つひとつにセキュリティを入れていきたいんです」と語るのはGMOクラウド<3788>の青山満(あおやま みつる)社長。同社の将来的な目標はセキュリティを中心としたIoTプラットフォームをリードする企業になること。サーバにアクセスしてくる一つひとつのIoT製品を識別可能な状態で一元管理できるプラットフォームを提供する。対象は、自動車や家電ばかりではなく、酪農業にまで及ぶ。Longview社を含む3社との協業では、牧場で牛の耳や首輪にセンサーを取り付けることで、牧場主が頭数を確認したり、脱走を検知したりするアグリテクノロジーへの活用を目指す。
中学生の頃、テレビで見たNASAのスペースシャトルに惹かれ、大学では工学部で流体力学を専攻した。卒業後、エンジニアとして入社した航空計器メーカーでは新製品開発に没頭した。開発したフライトレコーダーは、日本の宇宙開発プロジェクトにも採用された。

趣味はスノーボード。しかし、このスノーボードが現在の会社の原点にあったとは意外だ。エンジニアとしての仕事に取り組む傍ら、当時はまだ日本では高価だったスノーボードを購入するため、米国と日本を行き来していた。そのうち、並行輸入業務をはじめ、ビジネスは当たったが、輸入元が商品を出さなくなった。持ち前の行動力が発揮された。「自分でスノーボードのメーカーを立ち上げたんです。」
しかし、結果として築いたのはスノーボードの在庫の山だった。大量の在庫を何とか処分したいと試行錯誤しているうちに見つけたのがインターネットだった。しかし、当時の技術では、ECサイトの構築も非常に手間がかかった。万事休していたときに出会ったのが、当時のアイルの社長。一年で新規プロジェクトを立ち上げる契約で入社し、現在のクラウド・ホスティング事業の前身となるレンタルサーバー事業を、見事立ち上げた。
「実は、『レンタルサーバー』という言葉を最初に使ったのも私なんです。今思えば、商標登録しておけば良かった。当時は米国でも、ウェブ・ホスティングという言葉しかなかったですから」
同社では、クラウド・ホスティング事業をはじめ、国内シェア50%以上で海外市場でも堅調なSSLサーバ証明書を発行するセキュリティ事業、工場やビルのメーター点検・管理サービス等のソリューション事業を有し、さらにこの3つの事業のシナジーを活かして本格的にIoT事業に注力していく。「米国のIoT企業は発想のスケールが違います。経営理念にも掲げましたが、コトをITで変えていく。社会に役立つ企業でありたいという気持ちは事業立上げ当時から変わっていません。今後も新しい分野に挑戦していきます」と青山社長は熱く語っていた。



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情報提供元: FISCO
記事名:「 IoT企業 社長の横顔---GMOクラウド