■中長期の成長戦略

中期経営計画は開示していないため、具体的な目標数値はない。しかし、デジタルアーツ<2326>では、「より便利な、より快適な、より安全なインターネットライフに貢献していく」という経営方針を着実に実行することで、2020年度(2021年3月期)までに売上高100億円を達成することを経営目標としている。2017年3月期実績から約2倍であり、一見非常に高いレベルに見えるが、年平均成長率で言えば約20%である。2020年3月期計画の売上高は前期比16.4%増とやや保守的だが、2019年3月期が前期比14.2%増の成長であったことからすれば、2020年度までの目標達成は十分可能だろう。

中長期的な経営戦略は、Webセキュリティソフト及び電子メールセキュリティソフトの開発・販売を軸に、セキュリティ事業に経営資源を重点配分し売上高の拡大を目指す。同時に組織の効率化と経費を中心とした費用削減を進め、利益創出の経営改革に取り組むというものだ。

弊社では、自治体や大企業の開拓が進んでいること、「i-FILTER(Ver.10)」、「m-FILTER(Ver.5)」の販売状況が順調であること、などからすると、同社は新たな成長ステージの軌道に乗ってきていると見ている。今後は2021年3月期までの売上高100億円達成に向けて、新製品の開発、セキュリティ対策未導入企業への拡販の加速化やM&Aを含めた事業規模の拡大に注目する。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 山田秀樹)




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情報提供元: FISCO
記事名:「 デジアーツ Research Memo(9):新たな成長ステージの軌道に乗る