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特許データベースに登録されている全ての特許文書同士を比較したうえで、文献間の類似度を自動的に判断し、可視化し、俯瞰することにより、将来の企業の動きを予測、従来の業界の枠組を超えたアライアンス、事業創出、技術開発など新たな価値創造の可能性を提言する。
中村達生(なかむら たつお)社長が起業を決意したのは、三菱総研に勤め、オペレーションズリサーチを専門とする業務に従事していた時代に遡る。大量のデータを集め、概念検索という手法で、データを解析し、可視化することで、将来予測や戦略立案を容易にする。これはビジネスになるのではないかと現在の事業を思いついた。「公平性があり客観性がある」情報であれば、それは間違いなく社会に必要とされる。当初は旧態依然とした特許業界の慣習にぶち当たり、営業先の知財部長にもなかなか理解されなかった。現在では大手企業をはじめとする190社以上に同社のサービスの導入実績がある。
中村社長は親が銀行員で引越しが多かったため、小学校を6回転校したと言う。前の学校では良かったことが新しい学校では許されなかったりしたことで、転校生としてクラスを外れたところから観察しているような子供だったと自らを振り返る。クラスメートを最初の印象からだいたいこういう性格だろうなどと予測し、観察したり、付き合ったりしてみて検証する習慣がついた。転校した先でそのデータベースが役立つことがある。そうした癖も、今思えば、現在の概念の類似性を解析するという発想に結び付いているのかもしれないと語る。
「大企業は思考の枠を超えるのが苦手だ」と、二足歩行のロボットを例に挙げながら中村社長は言う。「ロボットの足はキャタピラーで構わないはずだ」 だからこそ、自らの枠から出ることのできない様々な業界の企業と企業を結び付け、その境界から新しい発想で技術や事業を創出するお手伝いをするのが同社の使命だと語る。
「プラットフォーマーを凌駕したい」と話す中村社長は、プラットフォーマーが表舞台に出る以前の2004年当時からすでに、誰かが世の中に埋め込んだアルゴリズムがもし公平性を欠いていたらどうなるのかという危惧を抱いていた。選挙戦にビッグデータ解析が用いられ、SNSを使ったフェイクニュースが話題となる現在、公平性があり客観性がある情報こそ必要になる。VALUENEX Valuedとは、誰も歪ませていない情報のことである。これからも「嘘をつかないサービスを追求し提供していきたい」と中村社長は意気込んでいた。
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