皆さま、こんにちは。フィスコ企業リサーチレポーターの馬渕磨理子です。

『馬渕磨理子が実践!トレードステーション利用術』と題して、私が普段のトレードで使っている分析ツール「トレードステーション」について、その活用方法を、最新のニュース情報も交えながらお話しする連載です。

☆スキャナーのポイント
値動きのスクリーニングの時間短縮し、ファンダメンタル分析に時間をまわす

■市況環境が不透明な時にも役立つ「スキャナー」

トレードステーションの中に「スキャナー」機能があります。これは、日本で最高のスクリーニングを保有している機能と言えます。スキャナーでは、自分が設定したPER水準や時価総額の大きさ、業種などをスクリーニングできます。スキャナー機能を使いこなすことで、取引するのに最適な銘柄を選ぶことができます。

例えば、この機能を使って株価をPERの観点から見てみると、米中貿易摩擦に対する懸念や米金利上昇により、2018年10月以降はPERの高い、割高株が売られています。また、中国経済の減速から、半導体、ファクトリーオートメーション、電子部品関連の銘柄も低調な値動きが続いていることが確認できます。

■スキャナーからみる「リターン・リバーサル」の相場(1月27日時点)

今回、私はスキャナーでスクリーニング要件を『現在値が100円以上の株価』、『出来高が10万以上』、『10日前の終値より現在値の方が高い』と設定しました。

<実際のスキャナーでの設定方法>
価格:「現在値>= 100」
出来高:「出来高(本日)>=100000」
終値:「終値(10日)<現在値」

このように設定後、スクリーニング要件のなかで1月27日時点での上昇率ランキングを見てみると、TDK<6762>、太陽誘電<6976>、村田製作所<6981>など電子部品株の一角が強さを発揮、SUMCO<3436>、アルバック<6728> 、ディスコ<6146>、ミネベアミツミ<6479>などの半導体関連などがランクインしています。

ファンダメンタル分析で考えると、米アップルのiPhoneの最新モデルの販売不振や中国景気の減速について、昨年から株価が調整局面である銘柄が多かったです。しかし、直近では米国企業の半導体セクターが反発し、日本株でも半導体関連株に見直し機運が台頭、その流れが電子部品セクターにも波及しています。

ただし、これらの銘柄の反発は業績好転からのものもあれば、単なる売られすぎからの反発である「リターン・リバーサル」の値動きである可能性もあります。スキャナーでいち早く相場の値動きを察知し、その後、綿密にファンダメンタル分析を行うフローが重要になってきます。値動き察知の作業にもかなりの時間が必要になりますが、スキャナーで設定をしておけば、その時間をコンパクトにし、ファンダメンタル分析に時間を割くことができます。

(レポート内で紹介のスクリーニング要件を設定した『スキャナー』は、『マネックス証券トレードステーションのHP コラム・レポートのページ』からダウンロードできます。)

次回も、このような形で、話題のニュースから読み解いたテーマとトレードステーションのツールについてお話しします。

※「馬渕磨理子が実践!トレードステーション利用術」は、米国TradeStation Groupが開発したトレーディングツール「トレードステーション」の日本語版(マネックス証券が提供)を馬渕磨理子の見解で注目し、コメントしたものです。開発会社や日本語版提供会社との見解とは異なる場合があります。

(フィスコ企業リサーチレポーター 馬渕磨理子)




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情報提供元: FISCO
記事名:「 馬渕磨理子が実践!トレードステーション利用術:「スキャナー」でいち早く相場の値動きを察知