■キャリアリンク<6070>の今後の見通し

2. 事業別の売上見通しと営業戦略
(1) BPO関連事業部門
BPO関連事業部門の売上高は前期比20%減の9,100百万円を見込む。減収要因としては、前述した特定の民間大型BPO案件及びマイナンバー関連業務や臨時給付金業務の業務縮小が挙げられる。ただ、一方で、今後の売上拡大が期待できる新規BPO案件の獲得も進んでいる。なかでも注目されるのが新たに受注したキャッシュレス決済関連業務で、2018年10月より一部エリアを中心に事業展開を開始しており、下期だけで370百万円の売上を見込んでいる。

キャッシュレス決済関連業務とは、小売店舗等に対して新たなキャッシュレス決済の導入提案を行う業務となる。2018年11月以降、首都圏エリアの他、各地での展開を進め、2021年2月期には売上高で20億円規模までの拡大を目指している。前述したように、新規スタッフの採用費用や研修費用等がかかるため、当初の利益率は低いものの、業務が軌道に乗れば売上総利益率で全社平均を上回る水準まで引き上げていくことが可能と見られる。

なお、BPO関連事業部門の営業戦略としては、以下の5つに特に注力していく方針となっている。
a) 資本業務提携先であるDSBとの協業による、金融・SIer向けビジネスの拡大を推進(2020年2月期より売上貢献)
b) キャッシュレス決済関連業務の受注拡大を推進
c) 請負業務に対する運用力強化による成長基盤の構築
d) 恒常的公共サービスへの展開領域の拡大を推進
e) サービス品質の管理を徹底し、競争力と利益率の向上による更なる差別化を推進

(2) CRM関連事業部門
CRM関連事業部門の売上高は前期比58%増の3,000百万円を見込んでいる。第2四半期までと基調は変わらず、札幌や仙台、福岡、沖縄など地方都市におけるテレマーケティング事業者からの受注拡大が続くほか、JBSの売上貢献を見込んでいる。

当期の営業戦略としては、地方でのテレマーケティング事業者の需要を取り込むために各拠点で高付加価値人材の確保を行い、新規登録者の誘致・マッチング力の強化を図ること、また、JBSも含めて地方金融機関における取引拡大の実現に取り組んでいくことを挙げている。

(3) 一般事務事業部門
一般事務事業部門の売上高は前期比286%増の3,400百万円を見込んでいる。同部門も第2四半期までの流れを引き継ぎ、民間企業、官公庁向けの新規受注案件の増加とJBSの子会社化が増収要因となる。

当期の営業戦略としては、スタッフのキャリアパスを実現するためのフォロー活動を実施し、証券外務員等の資格が必要となる高単価な金融案件の受注獲得を推進していく。

(4) 製造系人材サービス事業
製造系人材サービス事業の売上高は前期比20%増の3,100百万円となる見通し。新規営業拠点の開設により、食品加工会社向けを中心に製造業全般において新規受注の拡大を目指していく。

当期の営業戦略としては、食品加工会社をメイン領域と位置付け、ローコストオペレーションを実現すること、高品質なチーム派遣によって、食品系コンビニベンダーの顧客開拓、規模の拡大を図ること、首都圏での営業拠点をさらに増設し、売上高・利益の拡大を図ること、の3点に取り組んでいく。首都圏については埼玉に続いて、神奈川や千葉にも進出していく考えで、その次に東北エリアへの進出も視野に入れている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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情報提供元: FISCO
記事名:「 キャリアリンク Research Memo(6):キャッシュレス決済関連業務は2年後に売上20億円規模へ