(2) 最近の進捗状況と今後の見通し a) アーク買収と開発支援のソリューション事業 同社は2018年1月に東証1部上場のアークの株式をTOBにより取得し、連結子会社化した。アークは自動車向けを中心に開発支援を提供する国内最大手企業で、デザイン、設計、解析、試作までトータルでサポートしている。海外に20拠点を擁し、北米やアジアでは主として日系OEMの開発をしているが、欧州では欧州系OEMにトータルソリューションを提供し、売上高の60%を欧州向けが占めている点が特徴的だ。収益規模は連結売上高447億円、連結営業利益17億円(2018年3月期)となっている。
c) “ミラストマー®”(機能性コンパウンド事業) ミラストマー®は、オレフィン系熱可塑性エラストマーの同社の商品名で、自動車の内装表皮材に主として使用されている。アジアで第2位、世界で第3位のシェアを誇っている。同社は2017年12月に旭化成<3407>からTPS事業を買収した。TPSはスチレン系熱可塑性エラストマーで、物資としてはミラストマー®の近隣に位置するものだ。使用領域は同じ自動車内装であるが、ドアグリップなどミラストマー®と異なる部位で使用されており、両者は補完関係にある。TPSの買収で自動車内装材の提案力及び商品ラインナップが強化されたことになり、シナジーを追求してミラストマー®の一段の拡販を目指すことになる。