(1) 欧州地域 a) 販売動向 2018年4月期第2四半期累計期間における欧州の販売状況を国別で見ると、ドイツ、オーストリアでは消化器内視鏡領域での販売が順調に拡大したが、英国、北欧、スペイン向けが想定を下回った。英国では現地代理店が大手医療機器メーカーに買収されたことにより、新規の営業活動がストップしたこと(既存顧客については販売を継続)、北欧では一部代理店が他の医療機器商社と合併し、取扱商品の見直しに入っていること、スペインでは代理店の経営方針が定まらず営業活動が進んでいないことなどが要因となっている。このうち、主要市場である英国については早急に新たな代理店との契約を結ぶべく、現在交渉を進めている段階にある。規模的には従前の代理店よりも大きな会社となる見通しで、時期としては2018年の1〜2月頃までには代理店契約を結び、拡販活動を開始したい考えだ。
c) 後出血予防材の開発状況 欧州では「PuraStat®」の適用拡大として、後出血予防材としてのCEマーキング取得を目指している。認証機関から比較試験の追加データを求められたことから、英国のポーツマス病院で臨床試験を実施し(76症例)、2017年12月初旬に再申請を行っている。過去の臨床データ(ヒストリカルコントロール群:202例)との比較において、「PuraStat®」群の後出血率は50%以上低く、また、76症例すべてにおいてESD(内視鏡的粘膜下層はく離術)実施部位への適用が容易であったこと、「PuraStat®」に起因する有害事象が認められなかったことが、UEGW 2017の会議において発表されている。