■業績の動向

2. 部門別・地域別動向
サンワテクノス<8137>は3つの事業部門を展開しているが、その部門別動向は以下のとおりだ。

電機部門の売上高は、前年同期比35.9%増の12,390百万円となった。産業機械業界の設備投資向けの電機品の販売が増加した。前述のようにスマートフォン関連の設備投資意欲が、特に中国において高水準を維持しており、そこに納入する製造装置のための部材として同社の電機品への需要が伸長したという構図だ。

電子部門の売上高は、前年同期比37.1%増の50,339百万円に達した。自動車関連業界、産業機械業界向けの電子部品の販売が増加したほか、社会インフラ設備向けの電子機器の販売も増加した。電子部門に関して特に弊社が注目するのは自動車向けの動きだ。同社は2015年4月に車載営業部を発足させた。車載営業部の今第2四半期の売上高は前年同期に比べて2倍以上の伸びとなった。その中身には一部に設備投資関連の商材なども含まれているため、単純に倍増というのは正確ではないが、ADAS(先進運転支援システム)関連で車載向け電子部品・機器類の需要が急成長していることを象徴する動きと言える。

機械部門の売上高は、前年同期比10.4%増の4,619百万円となった。電子部品業界向けの生産設備の販売が増加したほか、FPD関連業界向けに搬送設備の販売が増加した。他の2部門よりも若干低い増収率となったのは、設備投資サイクルの関係でFPDの生産設備の販売が減少したことが原因とみられる。

販売地域別セグメントの動向を見ると、日本向けは売上高52,385百万円(前年同期比27.6%増)、営業利益935百万円(同24.5%増)と大幅増収増益で着地した。産業機械業界向けに製造設備向け電機品の販売が増加したほか、自動車関連・産業機械業界向けに電子部品の販売が伸長した。また、電子部品業界向け生産設備やFPD関連業界向け搬送設備も売上げを伸ばした。

アジア向けは、売上高17,734百万円(前年同期比49.7%増)、営業利益674百万円(同118.3%増)と、日本向け同様、大幅増収増益となった。アジアの中でも中国での収益拡大が大きかったものと推測される。向け先別では産業機械業界向けに電子部品及び電機品の販売が伸長し、収益を押し上げた。

欧米向けは、売上高3,758百万円(前年同期比98.6%増)、営業利益162百万円(前年同期は16百万円の利益)と非常に高い伸びを示した。前年同期比伸び率が極端に高い数値となったのは、一過性の特需によって収益が押し上げられたためとみられる。四半期ベースでの動きを見ると、この特需は第1四半期に発生しており、第2四半期には通常のペースに戻った。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)



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情報提供元: FISCO
記事名:「 サンワテクノス Research Memo(5):3部門とも2ケタ増収を達成。電子部門では車載用部材の売上高が急成長中