カルナバイオサイエンス<4572>は21日、イブルチニブ耐性の血液がんを治療標的として進めていた次世代BTK阻害剤の研究において、臨床開発化合物を見出すことに成功し、CB1763として前臨床試験段階へのステージアップを決定したと発表した。

CB1763は、野生型およびC481S変異型Bruton’s Tyrosine Kinase(BTK)の両方を阻害する高選択性、非共有結合型で経口投与可能な化合物である。BTKは、血液がんの重要な治療標的として認識されている。最初に承認されたBTK阻害薬であるイブルチニブは、白血病の治療薬として使用されており、高い治療効果が示されている。イブルチニブはBTKの481番目のシステイン残基(C481)に共有結合することでBTKの酵素活性を阻害しているが、最近の研究から、一部の患者で、このC481に変異が生じてイブルチニブ耐性になっていることが報告されている。このC481変異は、イブルチニブだけでなく、開発が進んでいる第2世代の共有結合型BTK阻害剤の阻害活性も低下させると考えられていることから、非共有結合型のBTK阻害剤の開発が非常に望まれている。また、イブルチニブはBTK以外にも他のキナーゼを阻害することが知られており、報告されている副作用の一部はこのキナーゼ選択性が原因であると考えられている。

CB1763は、非共有結合型で、野生型およびC481変異BTKの両方を阻害するように設計された新規BTK阻害剤であり、キナーゼ選択性も非常に高いことから、次世代BTK阻害薬として高い効果が期待されている。



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情報提供元: FISCO
記事名:「 カルナバイオサイエンス--- BTK阻害剤CB1763を前臨床試験段階へステージアップ