■中長期の成長戦略

1. リモデルコンシェルジュを新設し、リフォーム業界に参入
アクアライン<6173>は2017年5月にリフォーム市場への参入を担う新会社「リモデルコンシェルジュ」を立ち上げる。この新会社は、これまでの水まわり緊急修理サービス事業の営業や技術ノウハウや年間約10万件の施工実績を活用し、顧客とともにリフォームプランを作成し、施工店を紹介するサービスを行う。リモデルコンシェルジュは、実際の施工は行わず、あらかじめネットワーク化した施工店を1件あたり5社程度紹介し、その中から顧客に選択してもらう。施工後にアンケートを行い、顧客の声をサービス向上に役立てる取り組みは、既存の水まわり緊急修理サービス事業と同様だ。収入モデルとしては、施工を行った業者から一定割合の手数料を得る予定だ。同社が自営するコールセンターも活用し、既存顧客のリフォームニーズを掘り起こす狙いがある。リフォーム業界への参入に際して、初期投資を抑えた上で自社の強みをフル活用するという点で非常に堅実な戦略をとっていることは高く評価してよいだろう。新会社は同社100%出資で、同社の大垣内社長が新会社社長を兼任し早期黒字化を目指す。

ちなみに、住宅リフォーム市場規模は2013年で約7.4 兆円の巨大市場である。そのうち水まわりのリフォームだけでも2.4兆円の規模がある(国土交通省)。プレーヤーとしては、設備機器メーカーから販売会社、工務店などが乱立しており、消費者としてはどう業者を選んでよいのかわからないという声が根強い。

2. パーソナルトレーニングスタジオ運営会社の買収
同社は、2016年12月にパーソナルトレーニングスタジオを運営するアーム(本社:東京都渋谷区)の全発行株式を取得し、子会社化した。

アームは、筋力強化やダイエットなどを求める20代~シニア層を対象に、顧客一人一人のニーズに合ったサービスを提供するパーソナルトレーニングスタジオ運営会社である。具体的には、東京都渋谷区にある「スタジオアーム」に6人の専門トレーナーが所属しており、加圧トレーニング、姿勢改善エクササイズ、体重・体脂肪の数値改善や食事アドバイスなどのサービスを提供する。

フィットネスクラブ業界は、3,000億円(2015年、経済産業省)を超える市場であり、シニア層の健康ニーズを取り込みながら緩やかな成長を続けている。業界内では、小規模な施設で特化型メニューを提供するプレーヤーに勢いがある。ダイエットに特化したパーソナルトレーニング、小規模サーキットトレーニング、ホットヨガやストレッチを中心としたスタジオなどである。

同社としては、サービス業としての共通性に着目し、安定雇用の確保や人材育成のノウハウの活用することでサービス業としての業態を確立し、中長期的には次代の事業の柱にしたい考えだ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)


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情報提供元: FISCO
記事名:「 アクアライン Research Memo(7):新会社を設立しリフォーム業界に参入