■今後の見通し

3. 市場規模と成長ポテンシャル
国内の葬儀市場規模は年間約1.7兆円の規模でここ数年は安定して推移しており、2017年2月の葬儀件数の伸び率で見ると、直近では前年比1.9%増で推移している。長期的に見ても、死亡人口が今後緩やかに増加していくことから、葬儀の潜在的な需要は、2040年に現在の約1.3倍の水準まで増加することが予測されている。また、最近では葬儀業界にも新たな潮流が生まれつつある。具体的には、葬儀だけにとどまらず終活関連情報産業としてのサービスが求められるようになってきており、ティア<2485>でもこうしたニーズ(葬儀の事前・事後のサービス)にも取り組んでいく方針となっている。

葬儀業界では全国各地にある冠婚葬祭互助会が依然、高いブランド力を背景に高シェアを占めているが(互助会及び関連企業の合計売上高で年間約7,200億円)、同社は「徹底した人財教育による質の高いサービス」と「葬儀費用の完全開示や適正費用による提案力」などが顧客から高い評価を受けており、着実にブランド力も上昇している。「ティアの会」会員数が年間2万人を超えるペースで伸び続けていることから見ても、シェアの拡大は今後も着実に進むものと予想される。名古屋市内では1998年に1号店をオープンして以降、16年目でシェア20%を獲得した実績があることから、ほかのエリアにおいても20%を獲得する可能性はあると考えられる。葬儀件数全体に占める同社グループのシェアはまだ1%に満たない水準であり、今後のシェア拡大による収益成長ポテンシャルは大きいと弊社では見ている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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情報提供元: FISCO
記事名:「 ティア Research Memo(11):葬儀市場は長期的に安定成長見通し、収益成長ポテンシャルは大きい