2015年3月期から2017年3月期までの中期経営計画「make good “TEN”」についても、当初計画(保証債務残高10兆円、新規保証実行件数64,000件、提携金融機関数720機関)を前倒しで達成すると、修正後の計画もさらに上回る着地となりそうである。2017年3月期末の保証債務残高は10兆9,010億円、新規保証実行件数は71,550件、提携金融機関数は739機関を見込んでいる。また、2017年3月期の業績についても、営業収益が前期比12.2%増の35,800百万円、営業利益が同9.9%増の27,615 百万円と当初計画を大幅に上回る増収増益となる見通しである。大型銀行(メガバンクや信託銀行、大手地銀など)との提携を含む新規提携先の増加や既存提携先の利用率の向上が業績の伸びをけん引しており、民間住宅ローン市場におけるシェアも着実に拡大してきた。また、外部環境(住宅ローン市場の堅調な推移や良好な雇用環境等)も同社業績にとって追い風となっている。
同社は、新たに2020年3月期を最終年度とする中期経営計画「Best route to 2020」を公表した。「住宅ローン保証事業におけるトップ地位確立」をスローガンとし、1)事業規模の拡大、2)企業価値の向上、3)事業領域の拡大(長期的課題)に取り組む方針である。2020年3月期の目標として保証債務残高13兆5,370億円、新規保証実行件数81,500件を掲げるとともに、営業収益45,100百万円(3年間の平均成長率は8.0%)、営業利益33,510百万円(同6.7%)を目指している。特に、事業規模の拡大については、大型銀行など既存提携先との関係強化に向けた付加価値向上により、顧客内シェアを高める戦略である。また、長期的な視点からは、民間住宅ローン保証事業との相乗効果が期待できる新たな事業について、この中期経営計画の期間中に検討を進める方針である。M&Aや他社との提携も視野に入れながら、730を超える提携金融機関のネットワークや豊富な保有データ量、民間住宅ローン業務ノウハウ(審査、債権管理等)など同社の強みを生かせる分野への事業領域の拡大を目指していく。