■会社概要

2. 事業の概要
ルネサスイーストン<9995>は半導体や電子部品を主に取り扱う技術系エレクトロニクス商社である。同社の事業をより深く理解し、先行きを予想する上では、同社の収益(特に売上)について、商品別、需要分野別、仕入先別の3つの視点に分けて把握し、それぞれを重ね合わせて考えることが有効だと弊社では考えている。

(1) 商品別内訳
同社の取扱商品は大きく、集積回路、(いわゆるICチップ)、半導体素子、表示デバイス(中小型液晶パネルなど)、及び“その他”の4つに分けられている。集積回路はロジック系の半導体が中心で、DRAMなどのメモリ類は少ないとみられる。半導体素子には集積回路以外の半導体部品であるトランジスタやダイオードなどが含まれている。表示デバイスは中小型の液晶パネルが中心だ。その他の中には一般電子部品やセンサーなどが含まれている。

売上構成比が最も大きいのは集積回路で、全売上高の70.8%を占めている(2017年3月期第3四半期累計実績ベース。以下同じ)。以下、半導体素子(15.1%)、その他(10.4%)と続き、表示デバイスは3.6%にとどまっている。

(2) 仕入先別内訳
仕入先別内訳は、ルネサスエレクトロニクス、日立グループ、及びCSBの3つに大別される。CSBとはCustomer Satisfaction Businessの略で、同社が独自に開拓してきた商材供給ルートを意味しており、同社が“新規ビジネス”と呼称するものと同じだ。

ルネサスエレクトロニクスからの仕入れ商材は、その生産品目に照らして、商品別内訳の集積回路のほぼすべてと半導体素子の大部分をカバーしているものとみられる。日立グループからの仕入れ品は、商品別内訳の半導体素子やその他にまたがっているとみられる。CSBについても、商材別内訳の中の表示デバイスや半導体素子、その他に幅広く分布しているとみられる。逆の側から見ると、集積回路の販売動向はルネサスエレクトロニクスの販売動向を色濃く反映しているとの推測が可能だ。

(3) 需要分野別内訳
同社の顧客すなわち需要分野別の内訳では、産業、自動車、アミューズメント、及び民生・OA・通信の4つに大別されている。このうち主力は産業と自動車であり、長らくそれぞれ約40%を占めていたが、ここ数年は自動車が上下動しながらも比較的堅調に伸長してきているのに対して、産業は中国の過剰設備問題や新規需要の立ち上がりの遅れなどから減収基調にあり、両者の売上高の差は、2016年3月期実績で約80億円にまで拡大した。アミューズメントは年ごとの需要の変動が大きいという特徴がある。また、民生・OA・通信は、今後のIoT市場の拡大やCSB製品の拡大方針との関係で、重要度が高まってくると弊社ではみている。

仕入先別や商品別との連関性は、自動車はルネサスエレクトロニクスからのマイコン等が中心となっており、産業もルネサスエレクトロニクスからのマイコンが中心ではあるが、一部をCSBや日立グループから調達している。アミューズメントは商品としては表示デバイスが多く、仕入先はCSBということになる。民生・OA・通信は、マイコンなど半導体製品や一般電子部品など多岐にわたるが、仕入先としてはマイコンをルネサスエレクトロニクスから、その他の商材をCSBにより、それぞれ調達しているとみられる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)



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情報提供元: FISCO
記事名:「 イーストン Research Memo(3):半導体・電子部品の技術系商社。商品別・仕入先別・需要分野別からの切り込む