■ミルボン<4919>の業績動向

2. 海外展開の状況
国別動向では、国内売上高が前期比5.9%増だったのに対し、中国、韓国、その他の地域は2ケタ増を示し、引き続き順調に拡大していることがうかがえる。米国とタイは減収となったが、その原因は明確で今後の巻き返しが期待できる状況だ。

(1) 米国(ミルボンUSA)
米国の売上高は前期比11.0%減の571百万円となった。同社は2016年にグローバル市場向けプレミアムブランドとして「milbon」を投入したが、その際、米国市場ではヘアケア製品においては既存のプロフェッショナルブランドから「milbon」への完全入れ替えという策をとった。これに伴う機会ロスが減収の主たる要因だ。2016年末までには「milbon」取扱サロンは約700に達し、2017年の巻き返しが期待される。

(2) 中国(ミルボン上海)
中国市場は順調な展開が続いており、現地通貨ベースの売上高は前期比26%の増収となった。報告ベースの売上高は前期比10.8%増の737百万円で着地した。現地のフィールドパーソンによる講習会・勉強会が現地の美容室から高い評価を獲得していることが拡販につながっている。また、成都市に新オフィスを開設し、直販の都市は既存の上海・北京と合わせて3都市となった。また、代理店地域の売上も20%超の伸長を見せている。

(3) 韓国(ミルボンコリア)
韓国の売上高は前期比12.5%増の1,603百万円となったが、中国同様、現地通貨ベースでは前期比25%増と大きく伸びた。ヘアカラー剤では「オルディーブ」が追加色のヒットを受けて順調に拡大した。また、総合ブランドのイメージ強化に向けてヘアケア用剤に注力しているが、この点でも「プラーミア」が好評をもって受け入られている。韓国では例外的に国内向けプレミアブランドの「オージュア」を展開しているが、こちらも高価格にもかかわらず順調で、2017年からの本格展開が期待される状況だ。

(4) タイ(ミルボンタイランド)
タイの売上高は前期比4.3%減の86百万円となった。販売部門では、ヘアカラー剤の「オルディーブ」やストレートパーマ剤は伸びたものの、ヘアケア用剤を用いるサロントリートメントが競争激化やメニュー化の理解不足で減収となった。一方、生産部門では「milbon」の生産開始やヘアカラーの追加色投入で生産量が拡大したほか、現地調達率の向上で製造原価が低下し、黒字化を達成した。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)



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情報提供元: FISCO
記事名:「 ミルボン Research Memo(4):中国・韓国で高い成長が続く