*15:58JST 利食い売り先行も押し目待ち狙いの買いが入りやすい【クロージング】 16日の日経平均は4日ぶりに反落。95.29円安の33424.41円(出来高概算14億5000万株)で取引を終えた。前日に今年最大の上げ幅を記録したため短期的な高値警戒感から利食い売りが先行して始まった。ただ、円相場が再び1ドル=151円台に乗せてきているため、自動車など輸出関連株などの一角がしっかりで、前場中盤にかけては33614.13円と切り返す場面もあった。その後、米中首脳会談後の会見で、バイデン米大統領が「中国の習近平国家主席は独裁者」などとするヘッドラインが伝わったことを受け、米中関係悪化が懸念され、半導体関連など値がさ株中心に再び売りが強まり、日経平均は再度マイナスに転じ、33233.84円まで下押した。しかし、日本株の年末ラリーへの期待は根強く、売り一巡後は押し目を拾う動きが強まり下げ渋りを見せた。

東証プライムの騰落銘柄は、値下がり銘柄が1200を超え、全体の7割超を占めた。セクター別では、石油石炭、サービス、鉄鋼など9業種が上昇。一方、小売、医薬品、食料品、証券商品先物など23業種が下落し、不動産は変わらずだった。指数インパクトの大きいところでは、リクルートHD<6098>、信越化<4063>、ソフトバンクG<9984>、レーザーテック<6920>が堅調だった半面、アドバンテス<6857>、KDDI<9433>、第一三共<4568>、キッコーマン<2801>、エムスリー<2413>が軟調だった。

前日の米国市場は、10月の米卸売物価指数(PPI)が市場予想を下回ったことを受け、高インフレに対する懸念が薄らいだことがプラス材料になり、主要株価指数は上昇した。ただ、東京市場は急ピッチの上昇に対する反動から利益確定売りが先行する展開だった。前場終盤にかけて、米中首脳会談後のバイデン大統領の発言を速報したことで、米中摩擦激化への懸念から先物売りが増加したほか、現物市場でも半導体関連株などが売られる場面も見られ、日経平均の下げ幅は一時280円を超えた。

日経平均は今月に入り9%近く上昇しているため、当然の一服とみる向きが多い。また、米中関係悪化に関するヘッドラインを受けて、利食い売りが出たが、目先の過熱感が解消されれば、再び日経平均は、7月に記録した年初来高値更新を目指す動きになっていくことになるだろう。また、国内主要企業の決算発表が一巡し、改めて堅調な企業業績への期待感も台頭し始めており、株価水準が下がったところでは、押し目狙いのスタンスで望みたい。

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情報提供元: FISCO
記事名:「 利食い売り先行も押し目待ち狙いの買いが入りやすい【クロージング】