*16:02JST 金融システムへの根強い不安から金融株中心に売りが継続【クロージング】 20日の日経平均は急反落。388.12円安の26945.67円(出来高概算13億6000万株)と約2カ月ぶりに27000円を割り込んで取引を終えた。欧米の金融システムへの根強い不安感や世界的な景気減速に対する懸念から金融株中心に幅広く売られ、ほぼ全面安の展開となった。朝方こそスイス金融大手UBSによるクレディ・スイスの買収合意を受けて金融システム不安が和らぎ上昇に転じる場面も見られた。ただし、午後に入ると売り圧力が強まり、終盤にかけて売りが続くなか、日経平均は安値引けとなった。21日から始まる米連邦公開市場委員会(FOMC)での金融政策の行方を確認したいとの見方や東京市場は祝日を控え、積極的に売買を手掛ける向きは少なかった。

東証プライムの騰落銘柄は、値下がり銘柄が1700を超え、全体の9割超を占めた。セクター別では、33業種全てが下落し、海運、倉庫運輸、不動産、陸運、空運の下落が目立った。指数インパクトの大きいところでは、日本電産<6594>、セコム<9735>、エプソン<6724>がしっかりだった半面、ファーストリテ<9983>、東エレク<8035>、アドバンテス<6857>、ダイキン<6367>、ファナック<6954>が軟調だった。

前週末の米国株安を受けて、売り先行で始まったものの、クレディ・スイス救済を受けて目先の金融システム不安が和らぎ、プラスに転じる場面もあった。しかし、投資家の金融不安に対する警戒感は拭えなかった。今回の混乱でクレディ・スイスからの資金流出度合いやUBSが負担するリストラ費用などを懸念する向きが多く、CSを巡る懸念がUBSに波及するのではないかという警戒感が残る。このため、金融セクターへの売りが止まらず、全般への地合い悪化につながったようだ。

また、日本時間の23日未明にはFOMCの結果が判明する。米国の金融政策がどうなるのか、これを受けて、米国市場がどのような反応を示すのかも確認したいと考える向きが多いのも投資マインドを上向かせる要因にはならなかった。FOMCでは、0.25%の利上げが実施されるとの見方が大半だ。しかし、仮に米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げ停止を決定することになれば、「利上げを停止するほど銀行の流動性危機は深刻」と受け止められかねず、FOMCの結果に投資家の関心が集まっている。

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情報提供元: FISCO
記事名:「 金融システムへの根強い不安から金融株中心に売りが継続【クロージング】