ダウ平均は186.45ドル高の33,704.10ドル、ナスダックは106.98ポイント高の10,742.63で取引を終了した。

連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長がイベントにおいて、金融政策について警戒されていたような直接的なタカ派な発言をしなかったため、安心感から買いが先行。ただ、ボウマンFRB理事が最近の一部のインフレ減速にもかかわらずまだやるべきことがあると、追加利上げの必要性を主張すると長期金利が一段と上昇、売りが再燃し主要株価指数は一時下落に転じた。しかし、12日に発表される12月消費者物価指数(CPI)ではインフレピークアウトが改めて確認されるとの期待に加え、中国の経済活動再開などで景気悪化への懸念も後退し、再びプラス圏に上昇。終盤にかけて上げ幅を拡大し終了した。セクター別では、小売り、電気通信サービスが上昇した一方で、商業・専門サービスが下落。

メディアのワーナーブラザーズ・ディスカバリー(WBD)はアナリストの投資判断引上げで買われた。高齢者向け医療保険制度(メディケア)を中心に管理するヘルスケアのオーク・ストリート・ヘルス(OSH)は、同業のCVSヘルス(CVS)が同社を100億ドル超での買収を模索していると報じられ上昇。一方でCVSは下落した。暗号資産取引所のコインベース(COIN)は業績低迷を受け、コスト削減の一環とした2度目の雇用削減を発表し上昇。遺伝子の変異分析システム開発を手掛けるイルミナ(ILMN)は23年度の業績見通しが予想を下回ったため、下落した。

FRBのパウエル議長はスウェーデン中銀主催のフォーラムにおいて、物価安定への過程は不評となる可能性があるが、健全な経済の基盤になると主張した。

(Horiko Capital Management LLC)

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情報提供元: FISCO
記事名:「 NY株式:米国株式市場は上昇、インフレピークアウト期待が優勢