28日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。


■株式見通し:積極的なポジションは取りづらいものの、押し目は狙いたいところ
■アドバンテス、2Q営業利益 85.2%増 879億円、通期据え置き
■前場の注目材料:日本精工、中国拠点の裁量拡大、EV用軸受の現地化加速



■積極的なポジションは取りづらいものの、押し目は狙いたいところ

28日の日本株市場は、売り優勢ながらも下値の堅さは意識されやすい相場展開が見込まれよう。27日の米国市場ではNYダウが194ドル高だった。7-9月期国内総生産(GDP)速報値は3四半期ぶりプラス成長に回復したため、リセッション懸念が後退し買い先行で始まった。キャタピラーなど良好な主要企業決算を好感した買いのほか、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ減速期待も根強く、NYダウは終日堅調に推移した。一方でメタプラットフォームズの下落が他のハイテク株へ売りが波及する格好となり、ナスダックは続落。シカゴ日経225先物清算値は大阪比225円安の27075円。円相場は1ドル146円10銭台で推移している。

シカゴ先物にサヤ寄せする格好から売り先行で始まることになろう。メタプラットフォームズの下落は昨日の時点で織り込まれているが、アマゾン・ドット・コムは10-12月期の見通しが市場予想に届かず、時間外取引で急落している。大型テック株の予想を下回る決算を受けた急落が相次ぐなか、相場全体の重荷になりそうだ。

とはいえ、キャタピラーが8%近く上昇するなど、予想を上回った決算を評価した動きは見られている。大型テック株は弱いものの、その他では予想ほど悪くないといった見方から買われており、センチメントは改善傾向にあると考えられる。

また、VIX指数は低下傾向を継続しており、FRBが利上げペースを鈍化させるとの見方からリバランスの動きが見られている。昨日の東京市場においてもメタプラットフォームズが下落するなか、指数インパクトの大きい値がさハイテク株を中心に底堅い値動きを見せており、リバランスに伴う買い戻しの動きが見られていた。そのため、売り先行ながらも、売り一巡後は底堅さが意識されそうだ。

日経平均は75日線に上値を抑えられる格好となったものの、下値の堅さは意識されやすく、27000円に接近する局面においては押し目狙いの買いは入りやすいとみておきたい。物色の流れとしては、相対的に出遅れている銘柄やセクターの修正リバウンドを狙った動きになりそうだ。不透明感はあり、週末要因から積極的なポジションは取りづらいものの、押し目は狙いたいところだろう。


■アドバンテス、2Q営業利益 85.2%増 879億円、通期据え置き

アドバンテス<6857>が発表した2023年3月期第2四半期業績は、売上高が前年同期比46.2%増の2748.06億円、営業利益は同85.2%増の879.16億円だった。コンセンサス(875億円程度)を若干上回る。先端半導体の量産化で試験装置の需要が伸び収益を押し上げたほか、円安進行も収益増に寄与。2023年3月期業績は、売上高が前期比31.9%増の5500億円、営業利益は同48.2%増の1700億円と、7月に上方修正した計画を据え置いている。


■前場の注目材料

・NYダウは上昇(32033.28、+194.17)
・1ドル=145.80-90円
・米原油先物は上昇(89.08、+1.17)
・米長期金利は低下
・米国景気は拡大
・日銀は金融緩和を継続
・コロナ後の人流再開


・日本精工<6471>中国拠点の裁量拡大、EV用軸受の現地化加速
・トヨタ<7203>JERAと大容量蓄電システム運転開始、車載電池再利用
・ホンダ<7267>国内4輪生産、来月上旬正常稼働へ、5カ月ぶり
・三菱商事<8058>独社と新会社、素材向けコンサル・エンジ提供
・北陸電力<9505>来年4月に電気料金値上げ、43年ぶり「規制料金」も
・レンゴー<3941>愛媛に段ボール製品の新工場、140億円投資
・日立建機<6305>欧州で電動建機の開発~販売一本化


☆前場のイベントスケジュール

<国内>
・08:30 10月東京都区部消費者物価指数(生鮮品除く)(前年比予想:+3.2%)
・08:30 9月有効求人倍率(予想:1.33倍、8月:1.32倍)
・08:30 9月失業率(予想:2.5%、8月:2.5%)

<海外>
・特になし <ST>
情報提供元: FISCO
記事名:「 前場に注目すべき3つのポイント~積極的なポジションは取りづらいものの、押し目は狙いたいところ~