18日の欧米外為市場では、ドル・円は上げ渋りか。米バイデン政権によるドル高容認姿勢で、上昇基調は維持される見通し。リスク選好の円売りも見込まれる。ただ、心理的節目の150円が視野に入り円買い介入への警戒から円売りは縮小しそうだ。

前日は材料難のなか米バイデン政権のドル高容認姿勢や日銀の緩和方針の継続でドル高・円売りに振れ、ドル・円は一時149円台に浮上。英トラス政権の政策修正で安全通貨売りとなり、ユーロ・ドルは0.98ドル半ばに持ち直した。本日アジア市場は日経平均株価の強含みで日本株高を好感した円売りが先行した。ただ、日本政府の円安けん制が強まり、ドル・円は149円付近に上昇後は節目付近の売りに押され失速する場面もあった。

この後の海外市場はドル高と円安抑制が交錯しそうだ。バイデン政権は国内のインフレ抑制を最優先させるためドル高の容認姿勢を崩さず、米金利先高観を手がかりに当面はドル買いに安心感が広がりやすい。一方、日本政府は一段の円安に歯止めをかけようとけん制姿勢を強めている。ドル・円は心理的節目の150円が射程圏内に入り、日本の覆面介入の思惑も浮上。足元は149円付近での売りが観測されており、上値の重さが意識されよう。

【今日の欧米市場の予定】
・18:00 独・10月ZEW景気期待指数(予想:-66.5、9月:-61.9)
・22:15 米・9月鉱工業生産(前月比予想:+0.1%、8月:-0.2%)
・22:15 米・9月設備稼働率(予想:80.0%、8月:80.0%)
・23:00 米・10月NAHB住宅市場指数(予想:43、9月:46)
・03:00 ボスティック米アトランタ連銀総裁オンライン討論会参加
・05:00 米・8月対米証券投資収支(ネット長期有価証券)(7月:+214億ドル)
・06:30 カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁討論会参加


<FA>
情報提供元: FISCO
記事名:「 欧米為替見通し:ドル・円は上げ渋りか、節目の150円視野も円買い介入に思惑