6日の連休明けの日経平均は反発。185.03円高の27003.56円(出来高概算14億9000万株)と6営業日ぶりに27000円を回復して取引を終えた。売り先行で始まったものの、円安進行や時間外取引での米国株先物が下げ渋っているため、主力銘柄中心に買い戻しの動きが強まった。また、本格化する国内主要企業の決算では、円安などを背景に好業績なものが目立っており、これら銘柄に投資資金が向かい、後場中盤には一時、27072.59円まで上げ幅を広げた。その後は週末の持ち高調整の動きから様子見姿勢が広がるものの、27000円台を回復して終了した。

東証プライムの騰落銘柄は、値上がり銘柄が1280に迫り、全体の7割近くを占めた。セクターでは、サービス、情報通信、その他製品、証券商品先物を除く29業種が上昇。鉱業、電気ガス、石油石炭、空運、銀行などの上昇が際立っていた。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>、東エレク<8035>、信越化<4063>、第一三共<4568>、京セラ<6971>が堅調だった半面、ソフトバンクG<9984>、資生堂<4911>、エムスリー<2413>、リクルートHD<6098>、テルモ<4543>が軟調だった。

注目された米連邦公開市場委員会(FOMC)は、大方の予想通り0.5%の利上げと、膨張した米連邦準備制度理事会(FRB)の保有資産の縮小を6月から開始することを決めた。その後会見したパウエルFRB議長は大幅利上げには消極的な姿勢を見せたものの、米国市場では主要株価指数が乱高下した。連休明けの東京市場は5日の米国株の大幅安を背景に売り先行スタート。取引開始直後には一時26543.29円まで下げ幅を広げる場面があった。ただ、日米の金融政策の違いから円安が進んでおり、トヨタ<7203>などの輸出関連株や好決算銘柄に買いが続いた。また、岸田首相がロンドンの講演で「安全を確保した原子炉の有効活用を図る」と述べたため、東電力HD<9501>をはじめとする電力株が軒並み高となった。

FOMCの結果は想定通りの内容だったが、米金利に関しては不透明感が強い状態に変化はなく、機関投資家などはFRBの今後の政策運営に対する迷いがあると見受けられる。このため、今夜発表される雇用統計など米国の経済指標を受けた米長期金利の動きをにらみながら、米国市場は不安定な展開が続きそうで、東京市場も値動きの荒い展開になることが想定される。一方、本格化する国内主要企業の決算は、円安効果などから概ね堅調な結果となっている。ただ、原油市況が再び上昇するなど原材料高が収益を押し下げる要因になるだけに、今後も商品市況などの動きにも警戒が必要で、企業業績の先行き不透明さも懸念要因となろう。


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情報提供元: FISCO
記事名:「 売り先行も円安進行など映して買い戻しの動きが強まり27000円を回復【クロージング】