12日の日経平均は続落。486.54円安の26334.98円(出来高概算11億7000万株)で取引を終えた。前日の米国市場では3月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控えるなか、インフレ警戒から米長期金利の一段の上昇が嫌気され、ハイテク株安などが重荷となった。売り先行で始まった日経平均は、寄り付き直後につけた26674.86円を高値に下落幅を広げるなか、前場半ばには節目の26500円を割り込むと、その後の不安定な値動きのなか、後場中盤には一時26304.08円まで下げ幅を広げた。

東証プライムの騰落銘柄は値下がり銘柄が1400を超え、全体の約8割を占めた。セクターでは、空運、情報通信、保険、その他金融の4業種が上昇。一方、海運、機械、精密機器、電気機器、医薬品など29業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、KDDI<9433>、ネクソン<3659>、7&iHD<3382>、NTTデータ<9613>、高島屋<8233>がしっかりだった半面、ファーストリテ<9983>、東エレク<8035>、ファナック<6954>、ダイキン<6367>、アドバンテス<6857>が軟調だった。

前日の米国市場は、インフレ抑制のため、利上げペースの加速化が警戒され、主要株価指数は下落した。また、3月のCPIが発表される。市場では前年比8.4%上昇が予想され、2月の同7.9%上昇からさらに強い結果となることが見込まれている。米長期金利の一段の上昇懸念につながり、それに伴う世界的な株安への警戒感が投資マインドを悪化させたようだ。また、中国の上海市でロックダウンが続いているほか、ロシア軍がウクライナ東部への攻勢を強めるなか、有毒物質を使用した可能性等も報じられており、リスク回避姿勢に向かわせた要因にもなろう。

なお、米国ではインフレ抑制を目的に大幅な利上げペースの加速が逆に米国の景気減速につながる可能性も警戒され始めている。また、未だに解除の目途が立たない中国・上海のロックダウンの影響を危惧する声が増えており、外国人投資家の中には中国景気・株価の下振れリスクを警戒する向きも多くなってきている。米国および中国の同時景気減速リスクがグローバル株式の重石となる構図が続いており、目先は不安定な相場展開が続きそうだ。

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情報提供元: FISCO
記事名:「 米長期金利の一段の上昇や中国のロックダウン、ロシア問題によりリスク回避の動きに【クロージング】