19日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■株式見通し:指数に振らされにくい個別物色で冷静に対応したいところ
■バーチャレク、22/3上方修正 営業利益4.8億円←3.0億円
■前場の注目材料:パナソニック、米で車載電池の人材育成、ネバダに開発ラボ新設


■指数に振らされにくい個別物色で冷静に対応したいところ

19日の日本株市場は、売り一巡後の底堅さを見極める相場展開が見込まれる。18日の米国市場はNYダウが543ドル安だった。ゴールドマン・サックスの決算内容に失望した売りや、国債利回りが2年ぶり高水準に達し金利高を警戒した売りから大幅に下落。また、著名投資家のアックマン氏が3月連邦公開市場委員会(FOMC)での50ベーシスポイントの利上げの可能性などを指摘するなど、連邦準備制度理事会(FRB)の急激な金融引き締めを警戒した売りが続き、終日軟調に推移した。シカゴ日経225先物清算値は大阪比245円安の28005円。円相場は1ドル114円60銭台で推移している。

シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、28000円での攻防になりそうだ。米国市場の下落については米株先物の弱い動きのほか、長期金利上昇、原油先物相場の上昇によって前日の段階である程度は織り込まれているだろう。ゴールドマン・サックスの決算についても、先週末のJPモルガンの決算を受けた下落によって警戒されていたこともあり、売り一巡後は底堅さが意識されてきそうだ。

ただし、3月のFOMCで25ベーシスの利上げは広く織り込まれていたものの、ここにきて50ベーシスの利上げが予想されてきたことから、ポジションを圧縮する動きのほか、ヘッジに伴う先物市場でのショートの動きが強まりやすい面はありそうだ。短期筋の仕掛け的な動きも警戒されやすく、押し目買いの動きも慎重にさせよう。日経平均は14日の下落局面で27889円まで下げており、まずはこの水準を割り込まずに踏ん張りを見せられるか注目したいところ。

また、米国では半導体株の弱い動きが目立ったものの、金融株も全般売られているため、グロース株売りに対してバリュー株への資金シフトは限られていた。基本的には全体のポジション圧縮を意識させてくることから、物色の流れとしては材料性の個別物色に向かいやすい。また、マザーズ指数は調整トレンドが継続しているものの、昨日は反発を見せたほか、個別ではリバウンドを見せてきた銘柄も散見されていた。弱い基調が続いている直近IPO銘柄なども割安感を指摘する声も聞かれており、指数に振らされにくい個別物色で冷静に対応したいところであろう。


■バーチャレク、22/3上方修正 営業利益4.8億円←3.0億円

バーチャレク<6193>は2022年3月期業績予想の修正を発表。売上高は61.5億円から62.0億円、営業増益を3.0億円から4.8億円に上方修正した。各事業セグメントともにプロジェクト利益率の向上や販管費を含めた継続的な経費削減などにより、営業利益ほか各利益ともに当初予想を上回る見込みとなったので。


■前場の注目材料

・米原油先物は上昇(84.83、+1.53)
・米国景気の拡大
・日銀は金融緩和を長期化
・株価急落時の日銀ETF買い


・パナソニック<6752>米で車載電池の人材育成、ネバダに開発ラボ新設
・トヨタ<7203>2月の世界生産70万台、高水準も計画下回る
・丸紅<8002>洋上風力権益を落札、英スコットランド沖
・NEC<6701>パソコン塗布独占契約、コロナ不活化ガラスコーティング剤
・古河電工<5801>古河電池と佐賀で蓄電池供給、九州最大規模、EV充電向け
・楽天グループ<4755>楽天モバイル、仮想化通信技術で新会社
・SCSK<9719>プレイドとFAQ解決率向上ソリューション
・CTC<4739>ローカル5G新施設、平和島物流センターに開設
・三菱ケミHD<4188>超低誘電損失フィルム開発、高周波通信向け
・東ソー<4042>CO2ゼロ目標、1200億円投資、省エネなど技術開発


☆前場のイベントスケジュール

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情報提供元: FISCO
記事名:「 前場に注目すべき3つのポイント~指数に振らされにくい個別物色で冷静に対応したいところ~