26日の欧米外為市場では、ドル・円は底堅い値動きを予想する。南アフリカで新型コロナウイルスの新たな変異株が検出され、世界経済の先行きを懸念した円買いが先行。ただ、米連邦準備制度理事会(FRB)の引き締め加速期待で、ドルは売りづらい。

前日は米国市場の感謝祭による休場で薄商いのなか、今週大きく売り込まれたユーロ・ドルが小幅に値を戻した。本日アジア市場は南アで新たに検出されたコロナ変異株の今後のまん延が不安視され、朝方から安全資産買いが優勢の展開に。日経平均株価の急落でリスク回避の円買いが強まり、主要通貨を押し下げた。また、NY原油先物(WTI)の大幅安を受け資源国通貨を中心にクロス円が弱含み、ドル・円を下押し。

この後の海外市場では、コロナ変異株への警戒感からリスクオフのムードが広がりやすい。欧州株安や原油安を手がかりに、アジア市場同様、円買いが主要通貨を押し下げる展開となりそうだ。NY株式市場は感謝祭翌日の金曜日「ブラックフライデー」で短縮取引だが、指数が大幅安なら円買い地合いが見込まれる。ただ、FRBによる引き締め加速への期待は根強く、ドル・円は114円台半ばで買戻しが入り下げ渋るとみる。

【今日の欧米市場の予定】
・17:00 スイス・7-9月期GDP(前年比予想:+2.9%、4-6月期:+7.7%)
・18:00 ユーロ圏・10月マネーサプライM3(前年比予想:+7.4%、9月:+7.4%)
・米株式市場は短縮取引(感謝祭翌日の金曜日「ブラックフライデー」)

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情報提供元: FISCO
記事名:「 欧米為替見通し:ドル・円は底堅い値動きか、南ア変異株で円買いも米引き締め期待継続