11日の日経平均は4営業日続伸。182.36円高の28070.51円(出来高概算11億6000万株)と終値ベースでは7月16日以来約1カ月ぶりに28000円を回復して取引を終えた。前日の米国市場は、米上院議会において5年間で総額約1兆ドル(約110兆円)のインフラ投資法案が可決されたことが好感され、NYダウは史上最高値を更新した。この流れを引き継いで、東京市場でも鉄鋼株や建機株など景気敏感セクター中心に値を上げる銘柄が目立った。指数インパクトの大きい値がさ株ハイテク株が売られたことが日経平均の重荷となり、28000円水準でのこう着に。

東証1部の騰落銘柄は、値上がり銘柄数が1500に迫り、全体の7割近くを占めた。セクター別では、ゴム製品が4.02%と大きく上昇したほか、海運、鉄鋼、銀行、ガラス土石など30業種が上昇。一方、情報通信、サービス、精密機器の3業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>、ダイキン<6367>、ブリヂストン<5108>、スズキ<7269>、京セラ<6971>が堅調。一方、東エレク<8035>、ソフトバンクG<9984>、アドバンテス<6857>、リクルートHD<6098>、エムスリー<2413>が軟調だった。

KeePer技<6036>がストップ高まで買われたほか、OATアグリオ<4979>、オークネット<3964>、東邦鉛<5707>など、決算を手掛りとした物色が活発だった。ブリヂストン<5108>は5%を超える上昇により、業種別指数をけん引する格好。また、米金利が上昇した流れを受けて金融株も堅調だった。一方、米半導体株安の流れから東エレクやアドバンテス、レーザーテック<6920>が軟調。また、注目されたソフトバンクGの決算反応は、小じっかりで始まった後は冴えない値動きに。

日経平均は心理的な節目となる28000円を抜けてくると、戻り待ちの売りが控えているうえ、新型コロナウイルスの変異株(デルタ株)の感染拡大も投資マインドに冷や水を浴びせており、積極的に上値を買い上がる雰囲気にはつながっていない。また、夏休み入りしている投資家が多いだけに、市場エネルギーの不足感も否めない。ただ、企業業績は良好であり、日本株は世界的に出遅れていることは明らかなだけに、目先は28000円台固めの動きとなりそうだ。


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情報提供元: FISCO
記事名:「 景気敏感セクター中心に買われ、約1カ月ぶりに終値で28000円回復【クロージング】