29日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■株式見通し:日経平均はこう着のなかで中小型株に関心集まる
■しまむら、 1Q営業利益 黒字転換130億円、コンセンサス上回る
■前場の注目材料:センコーHD、M&Aや物流拠点に2000億円投資、HD売上高5年後1兆円


■日経平均はこう着のなかで中小型株に関心集まる

29日の日本株市場は、こう着感の強い相場展開が続きそうである。28日の米国市場では、NYダウが150ドル安の一方で、S&P500、ナスダックは上昇した。バイデン政権と超党派議員で合意したインフラ計画案を巡り、法制化に懐疑的見方が広がり、利食い優勢の展開に。また、航空機メーカー、ボーイングの下げが重しとなったほか、欧州やアジアで新型コロナの変異ウイルス感染が拡大し、渡航規制が強化されたことなどが嫌気された。一方で、長期金利の低下を受けてハイテク株が買われていた。シカゴ日経225先物清算値は大阪比35円安の28915円。円相場は1ドル110円60銭台で推移している。

シカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや売り優勢の展開になりそうだ。ただし、米国同様、景気敏感株への物色が一服する半面、半導体株への物色に向かうようであれば、指数インパクトの大きい値がさハイテク株が下支えする形から日経平均の底堅さは意識されやすいところ。もっとも、東証1部の売買高は4営業日連続で10億株を下回っており、昨日は8.7億株程度にとどまっている。積極的な市場参加者は限られていることから、トレンドは出にくいと考えられる。そのため、ハイテク株への物色により底堅さは見られるとはいえ、日経平均は29000円辺りでのこう着がコンセンサスか。

また、これまで月末においては下落するといったアノマリーがあることから、明日の下落を警戒した動きにより、ロングを取りに行く動きも限られやすい。オーバーナイトのポジションは考えづらく、日計りでの短期的な値幅取り狙いの売買が中心になりそうである。物色の流れとしては、指数はこう着の中でナスダックの最高値更新を受けて、連動性の観点からマザーズなど中小型株での物色が意識されやすい。

マザーズ指数は足元で5営業日続伸となり、直近の戻り高値水準を回復してきており、指数寄与度の大きい時価総額上位銘柄への物色に向かわせそうである。また、JASDAQ平均についても昨日はマドを空けての上昇から高値を更新している。東証2部指数についても高値を更新するなか、個人主体による中小型株物色に関心が集まりやすい。


■しまむら、 1Q営業利益 黒字転換130億円、コンセンサス上回る

しまむら<8227>は2022年2月期第1四半期決算を発表。売上高は前年同期比33.2%増の1425.39億円、営業損益は130.19億円(前年同期は12.81億円の赤字)の黒字に転換。コンセンサス(95億円程度)を上回る。主力のしまむら事業では若者向けのトレンド商品やキャラクター商品などの展開が功を奏し、売場・販促との連動が効果を発揮して売上を伸ばした。


■前場の注目材料

・ナスダック総合指数は上昇(14500.51、+140.12)
・SOX指数は上昇(3323.14、+81.66)
・米長期金利は低下
・海外コロナワクチン接種の進展
・日銀は金融緩和を長期化
・株価急落時の日銀ETF買い


・センコーHD<9069>M&Aや物流拠点に2000億円投資、HD売上高5年後1兆円
・大阪ガス<9532>商業施設にバイオガス発生装置、生ゴミから製造、熱・電力に
・富士通<6702>「富岳」3期連続世界一、処理速度など総合力見せつける
・NTT<9432>千葉に「セブン専用」太陽光、首都圏コンビニ40店に供給
・パイオラックス<5988>CASE商品開発加速、23年度めど研究開発費7割増
・スズキ<7269>スマートドライブと法人向けコネクテッドカーで協業
・フジオーゼ<7299>新中計、売上高23年度230億円、水素対応バルブ開発
・極東産機<6233>新工場、注文品の生産能力を倍増
・ヒーハイスト<6433>直動機器・位置決め装置を増産、自動化ニーズ急増
・クボタ<6326>排水ポンプ車の今期受注見通し20台、豪雨復旧需要一服
・グローリー<6457>顔認証のマスク着用OK、決済サービスで精度を大幅に向上
・村田製<6981>社会課題解決に挑む、第3のポートフォリオ創出
・日立<6501>ヘルスケアM&Aに1500億円、社長「個別技術買収に関心」
・三井化学<4183>日立・三井化学、AI×MIで材料開発実験4分の1
・キヤノン<7751>領収書を自動入力、複合機と「勘定奉行」連携
・ニチコン<6996>アルミ電解コンデンサー、125℃・3000時間保証
・大日住薬<4506>2型糖尿病薬で初の承認、日本で先行


☆前場のイベントスケジュール

<国内>
・08:30 5月有効求人倍率(予想:1.08倍、4月:1.09倍)
・08:30 5月失業率(予想:2.9%、4月:2.8%)

<海外>
・特になし <ST>
情報提供元: FISCO
記事名:「 前場に注目すべき3つのポイント~日経平均はこう着のなかで中小型株に関心集まる~