20日のドル・円は、東京市場では109円31銭から108円96銭まで下落。欧米市場では、109円03銭から108円75銭まで下落し、108円79銭で取引終了。本日21日のドル・円は主に108円台後半で推移か。米長期金利の伸び悩みや原油安を意識してリスク選好的なドル買いは抑制される可能性がある。

インフレ進行に対する投資家の警戒感は低下しつつあるようだ。20日発表の新規失業保険申請件数は44.4万件で前週の47.8万件を下回ったが、米フィラデルフィア地区連銀が発表した5月分の景況指数(製造業景気指数)は市場予想を下回る31.5に低下したことから、米長期金利は弱含みとなった。原油先物の続落も意識されたようだ。雇用関連指標の改善に対する市場反応はまちまちとなっており、雇用情勢が改善しても賃金の上昇はおだやかであり、インフレ加速につながる可能性は低いとの見方が出ている。

ただ、経済情勢次第で市場や金融当局のインフレ見通しは短期間で大幅に変わる可能性は残されており、インフレ加速の思惑が後退しても米長期金利の低下余地は小さいとの声が聞かれている。なお、欧州経済の回復を意識したユーロ買い・米ドル売りが観測されているが、米国経済の改善傾向や欧州中央銀行(ECB)がユーロ高を警戒していることを考慮すると、ユーロ・ドルが年初来高値である1.2349ドル近辺に接近することは難しいとの見方が出ている。


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情報提供元: FISCO
記事名:「 今日の為替市場ポイント:原油安などを意識してドル買い抑制も