26日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■株式見通し:いったんは底入れも意識されやすく、個別では配当志向の物色なども活発に
■アクセル、21/3上方修正 営業利益5.15億円←1.8億円
■前場の注目材料:ダイフク、印中で増産、マテハン機器、地産地消


■いったんは底入れも意識されやすく、個別では配当志向の物色なども活発に

26日の日本株市場は、買い一巡後の底堅さを見極める相場展開になりそうだ。25日の米国市場ではNYダウが199ドル高だった。パウエルFRB議長の発言を受け、金融緩和縮小への警戒感から売り優勢から始まったが、失業保険申請件数が1年ぶり低水準に改善したほか、バイデン大統領が就任後100日間のワクチン配給目標を従来の1億回分から2億回分に引き上げると発表したため経済活動再開への期待が再燃し上昇に転じた。一方でハイテク株は7年債入札結果が前回に続き低調にとどまり長期金利が上昇に転じたため小幅高にとどまった。シカゴ日経225先物清算値は大阪比240円高の28860円。円相場は1ドル109円10銭台で推移している。

シカゴ先物にサヤ寄せする形から買い先行で始まろう。日経平均は前日の反発で75日線レベルを支持線として意識されたことにより、理想的なテクニカルリバウンドの形となろう。年度末接近によりリバランス中心の売買であり、大きくポジションを積み上げてくる流れは期待しづらいところであるが、寄り付き段階ではインデックスに絡んだ売買のインパクトが強く出てくるため、値幅が出やすいだろう。5日線が29000円辺りに位置しているため、これをクリアしてくることにより、センチメントも改善することになりそうだ。

一方で、7年債入札が不調だったことを受けてハイテク株の上値の重さによる影響は見極めたいところであろう。指数インパクトの大きい値がさハイテク株などの買い一巡後の動向次第では、週末要因もあって戻り待ちの売りに繋がりやすいところである。とはいえ、FRBは次回のストレステスト通過する米銀に対しては増配と自社株買いを7月以降認めると発表しており、これを受けて米国では銀行株が買われている。この流れが思惑的に国内のメガバンク等へ波及する可能性のほか、為替市場ではドル円が1ドル109円台で推移していることからトヨタ<7203>など輸出関連などへの物色につながることが期待される。

これにより、ギャップスタート後は値がさハイテク株の動向を睨みつつ、グロースからバリューシフトの流れが意識されやすいだろう。また、日経平均の75日線からのリバウンドによりいったんは底入れも意識されやすく、個別では配当志向の物色なども活発になりそうである。また、配当再投資による需給要因も引き続き意識されていることもあり、押し目買い意欲は強そうである。


■アクセル、21/3上方修正 営業利益5.15億円←1.8億円

アクセル<6730>は2021年3月期業績予想の修正を発表。売上高は83億円から90億円、営業利益は1.8億円から5.15億円に上方修正している。パチンコ・パチスロ機向けグラフィックスLSIの販売は約40万個の見通し(42万個の販売計画)となったが、メモリモジュール製品は顧客の旺盛な需要により計画を大幅に上回る販売見通しとなった。


■前場の注目材料

・日経平均は上昇(28729.88、+324.36)
・NYダウは上昇(32619.48、+199.42)
・ナスダック総合指数は上昇(12977.68、+15.79)
・シカゴ日経225先物は上昇(28860、大阪比+240)
・1ドル109円10-20銭
・SOX指数は上昇(2959.88、+5.91)
・VIX指数は低下(19.81、-1.39)
・海外コロナワクチン接種の進展
・世界的金融緩和の長期化
・株価急落時の日銀ETF買い


・ダイフク<6383>印中で増産、マテハン機器、地産地消
・グレイス<6541>千葉大と次世代マニュアル研究、BツーBに特化
・東京エレクトロン<8035>110億円投じ山梨に開発棟、半導体需要拡大に対応
・三菱商事<8058>バンドン工大など、CCS共同調査で合意
・伊藤忠<8001>日立造との風力事業、ENEOSが参画
・エイチワン<5989>中国・武漢に合弁、車体骨格部品を製造
・住友精密<6355>30mm径ジャイロコンパス、資源掘削向け、MEMS式
・日立建機<6305>豪新興に出資、自動運転技術開発を加速
・DMG森精機<6141>排出ゼロ達成、全世界生産で
・大日本印刷<7912>ヘルステック企業に出資、情報銀行事業で提携
・東芝<6502>システム構築でSAPと提携
・東レ<3402>ナイロン糸など値上げ、来月出荷分から
・日本製鉄<5401>日鉄・神鋼、道路関連事業の子会社統合延期、来年度下期へ
・天昇電<6776>竜舞プラ買収、プラ射出成形事業拡大


☆前場のイベントスケジュール

<国内>
・08:30 3月東京都区部消費者物価指数(生鮮品除く)(前年比予想:-0.2%)

<海外>
・特になし <ST>
情報提供元: FISCO
記事名:「 前場に注目すべき3つのポイント~いったんは底入れも意識されやすく、個別では配当志向の物色なども活発に~