14日の欧米外為市場では、ドル・円は底堅い値動きを予想したい。ユーロ高けん制などで、前週の欧州通貨買いは後退する見通し。また、米国の追加経済対策や新型コロナウイルスのワクチン普及が期待され、ドルに買戻しが入りやすいだろう。

欧州中央銀行(ECB)理事会のビルロワドガロー仏中銀総裁は11日、ラジオ番組でECBの追加緩和に言及した。そのなかで、2018年4月以来の高値圏に上昇したユーロについて目標を設定していないとしながらも、インフレへの影響を強く警戒していると発言。ユーロ高けん制を受け、ユーロ・ドルは一時1.21ドル付近まで弱含んだ。一方、英国と欧州連合(EU)との通商協議は今後も継続されるものの、依然として不透明で週明けのアジア市場では伸び悩む展開。欧州通貨買いの後退で、ドル・円は104円付近で底堅く推移した。

この後の海外市場でも欧州通貨の動向が注視される。英国とEUの協議の交渉継続は好材料だが、先行きに関しては流動的で一段のポンド買いは想定しにくい。また、ECB当局者のユーロ高けん制が引き続き意識され、ユーロ買いは入りづらい。一方、焦点の米追加経済対策は14日にも法案が公表される見通しとなり、与野党協議の進展に思惑が広がる。また、米ファイザーと独ビオンテックが共同開発したワクチンの出荷で、本日以降に医療関係者などから順次接種が始まる。大都市での制限強化による経済への打撃が警戒される半面、今後のワクチン普及に期待感が高まり株価や金利が上昇すれば、ドルを押し上げそうだ。

【今日の欧米市場の予定】
・19:00 ユーロ圏・10月鉱工業生産(前月比予想:+1.8%、9月:-0.4%)

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情報提供元: FISCO
記事名:「 欧米為替見通し:ドル・円は底堅い値動きか、欧州通貨の失速でドルに買戻し