■NY株式:NYダウ262ドル高、景気循環株への移行続く

米国株式相場はまちまち。ダウ平均は262.95ドル高の29420.92ドル、ナスダックは159.93ポイント安の11553.86ポイントで取引を終了した。新型コロナワクチンや治療薬開発期待を受けた景気見通しの改善で連日、ハイテク株から景気循環株に買い換える動きが続いた。セクター別では、自動車・自動車部品、エネルギーが上昇した一方、半導体・同製造装置が下落した。

化粧品小売りチェーンのアルタ・ビューティ(ULTA)と、ディスカウント小売りのターゲット(TGT)は小売りにおいて戦略的提携を発表しそれぞれ上昇。また、ウォールマート(WMT)と自動車のゼネラルモーターズ(GM)は自動運転配送での提携を発表し上昇した。在宅フィットネス事業を展開するペロトン・インタラクティブ(PTON)は有名歌手との契約を発表し、上昇。一方、オンライン小売りアマゾン(AMZN)は欧州連合(EU)が競争法違反の疑いで同社を追加調査すると発表し下落した。

携帯端末のアップル(AAPL)は新作発表イベントで市場の予想通り、自社製チップ「M1」搭載した複数のマック製品を発表した。リモートワーク・学習の広がりでマック製品が例年以上に重要で、年末商戦への期待が高まっている。

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■NY為替:EU景気刺激策でユーロ下げ渋り

10日のニューヨーク外為市場でドル・円は、105円44銭まで上昇後、105円18銭まで下落し、105円24銭で引けた。米国の9月JOLT求人件数の増加で米債利回りの上昇に伴うドル買いが続いたのち、対欧州通貨でのドル売りの流れを意識してドルは伸び悩んだ。

ユーロ・ドルは1.1793ドルから1.1834ドルまで上昇して引けた。欧州連合(EU)は1.8兆ユーロ規模の予算と、景気刺激策の取りまとめに前進したとの報道で、域内の景気見通しが改善し、ユーロ買いが強まった。ユーロ・円は124円25銭から124円60銭まで上昇。ポンド・ドルは1.3278ドルまで上昇後、1.3215ドルまで反落したが、1.3278ドルまで反発。英国の労働市場の改善を好感したポンド買いや離脱を巡る英国と欧州連合(EU)の通商交渉合意期待を受けたポンド買いが続いた。ドル・スイスは0.9171フランから0.9128フランまで下落した。


■NY原油:続伸で41.36ドル、需給改善への期待広がる

NY原油先物12月限は続伸(NYMEX原油12月限終値:41.36 ↑1.07)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物12月限は、前営業日比+1.07ドルの1バレル=41.36ドルで取引を終えた。時間外取引を含めた取引レンジは39.41ドル−41.46ドル。新型コロナウイルスのワクチン開発で大きな進展があり、欧米諸国における経済制限の長期化懸念は後退。需給関係の大幅な改善が期待されており、ポジション調整を含めた買いは継続。


■主要米国企業の終値

銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)

バンクオブアメリカ(BAC)  27.66ドル   -0.10ドル(-0.36%)
モルガン・スタンレー(MS) 55.75ドル   -0.27ドル(-0.48%)
ゴールドマン・サックス(GS)217.47ドル  +2.54ドル(+1.18%)
インテル(INTC)        45.44ドル   -0.16ドル(-0.35%)
アップル(AAPL)        115.97ドル  -0.35ドル(-0.30%)
アルファベット(GOOG)    1740.39ドル -22.61ドル(-1.28%)
フェイスブック(FB)     272.43ドル  -6.34ドル(-2.27%)
キャタピラー(CAT)      172.30ドル  +1.48ドル(+0.87%)
アルコア(AA)         15.99ドル   +0.26ドル(+1.65%)
ウォルマート(WMT)      145.56ドル  +2.02ドル(+1.41%)

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情報提供元: FISCO
記事名:「 10日の米国市場ダイジェスト:NYダウ262ドル高、景気循環株への移行続く