■NY株式:NYダウ122ドル高、追加経済救済策の行方を睨む展開

米国株式相場は続伸。ダウ平均は122.05ドル高の28425.51ドル、ナスダックは56.38ポイント高の11420.98ポイントで取引を終了した。新規失業保険申請件数が前回から減少し経済封鎖前の3月中旬以来の低水準となったほか、部分的な追加経済救済策への期待から上昇して寄り付いた。ペロシ下院議長が航空会社支援など個別の支援を支持する意向はないとしたため期待が後退し一時下落に転じる局面もあった。しかし、ムニューシン財務長官が包括的景気対策案の協議再開をペロシ議長に打診したと伝わると期待が再燃し引けにかけては再び大きく上昇した。セクター別ではエネルギー、公益事業が上昇した一方で、電気通信サービスが下落した。

資産運用・助言業務を手掛けるイートン・バンス(EV)は金融モルガンスタンレー(MS)が同社買収で合意し、両社とも上昇。また、ITサービスのIBM(IBM)はITインフラサービス部門を21年末までに別会社として分離、上場させる計画を発表し上昇した。動画配信サービスを提供するロク(ROKU)はアナリストの投資判断引き上げやアマゾンファイアTVへの加入が好感され上昇。また、製薬会社のリジェネロン(REGN)は新型コロナに感染したトランプ大統領がインタビューで、投与された同社の抗体カクテルの効果に言及したことが好感され上昇した。同業のイーライリリー(LLY)に対しても「開発中の治療薬がFDAに承認されるだろう」との見解を示したことが好感され上昇。一方で、ピザチェーンのドミノピザ(DPZ)は予想を下回った決算が嫌気され急落した。

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■NY為替:ECBはユーロ高によるインフレ抑制の影響を警戒

8日のニューヨーク外為市場でドル・円は、105円94銭まで弱含んだのち、106円05銭まで強含んで106円01銭で引けた。新規失業保険申請件数は予想を上回ったほか、ペロシ下院議長が航空会社支援で、包括的景気対策案の合意が前提となるとしたため、部分経済救済策への期待が後退し弱含んだが、ムニューシン米財務長官が包括的景気対策案の協議再開をペロシ議長に打診したと報じられたことから、ドルは底堅い展開となった。

ユーロ・ドルは1.1769ドルまで上昇後、1.1733ドルまで下落して1.1759ドルで引けた。ECBメンバーがユーロ高はインフレ見通しに深刻な影響を与えると指摘していることが9月理事会議事要旨で明らかになり、ユーロ売りが加速。ユーロ・円は124円72銭から124円37銭へ下落。ポンド・ドルは1.2900ドルから1.2948ドルまで上昇。英国と欧州連合(EU)の通商交渉の合意を楽観視する見方が強まりポンド買戻しが優勢となった。ドル・スイスは0.9198フランまで上昇後、0.9168フランまで下落した。


■NY原油:反発で41.19ドル、ハリケーン接近の影響強まる

NY原油先物11月限は反発(NYMEX原油11月限終値:41.19 ↑1.24)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物11月限は、前営業日比+1.24ドルの1バレル=41.19ドルで取引を終えた。時間外取引を含めた取引レンジは39.76ドル−41.33ドル。ハリケーンの接近によって、メキシコ湾岸の原油生産の大半が停止していることが材料視された。短期的な供給不安が高まっており、原油先物を買い戻す動きが広がった。


■主要米国企業の終値

銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)

バンクオブアメリカ(BAC)  25.24ドル   +0.36ドル(+1.45%)
モルガン・スタンレー(MS) 49.00ドル   +0.29ドル(+0.60%)
ゴールドマン・サックス(GS)207.98ドル  +4.38ドル(+2.15%)
インテル(INTC)        53.37ドル   +0.70ドル(+1.33%)
アップル(AAPL)        114.97ドル  -0.11ドル(-0.10%)
アルファベット(GOOG)    1485.93ドル +25.64ドル(+1.76%)
フェイスブック(FB)     263.76ドル  +5.64ドル(+2.19%)
キャタピラー(CAT)      156.66ドル  +1.89ドル(+1.22%)
アルコア(AA)         12.73ドル   +0.49ドル(+4.00%)
ウォルマート(WMT)      141.36ドル  +0.47ドル(+0.33%)

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情報提供元: FISCO
記事名:「 8日の米国市場ダイジェスト:NYダウ122ドル高、追加経済救済策の行方を睨む展開