20日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■株式見通し:中小型株へのシフトもやや買い疲れ感
■古野電、21/2期業績予想 営業利益15億円
■前場の注目材料:トヨタ、印でサブスク、初年度10都市、相乗り減・ニーズ多様化

■中小型株へのシフトもやや買い疲れ感

20日の日本株市場は引き続きこう着感の強い相場展開になりそうだ。19日の米国市場ではNYダウが85ドル安だった。新型コロナウイルス追加経済救済策を巡り共和党・民主党指導者は交渉を再開する見通しが報じられ買いが先行。しかし、連邦準備制度理事会(FRB)が公表した連邦公開市場委員会(FOMC)議事録(7月開催分)で下半期の見通し引き下げが示唆されたと同時に、次回会合での追加緩和の可能性について言及がなく、利回りが上昇したことを嫌気して引けにかけて下げ幅を拡大する展開となった。シカゴ日経225先物清算値は大阪比15円安の23115円。円相場は1ドル106円10銭台で推移している。

シカゴ先物にサヤ寄せする格好から利食い先行の展開が意識され、日経平均は23000円処での攻防が続きそうである。ただし、米国の追加経済救済策の交渉再開のほか、米中閣僚級協議においても日程調整が伝えられており、売り込む流れにはなりづらいと考えられる。日経平均は昨日の調整局面での23000円処での底堅さが確認できており、23000円を下回る局面における押し目買い意欲は強そうである。また、出来高も少ない状況であり、短期的な売り仕掛けの動きがあったとしても追随する流れにはなりづらく、早めのカバーに向かわせよう。薄商いの中では日銀のETF買い入れに伴う需給面での下支えも意識されやすい。

一方で、上値追いの流れもなさそうである。安倍首相の健康不安説なども手掛けづらくさせる要因となる。そのため、日経平均の23000円処を支持線とした狭いレンジ取引が想定される。そのため、物色の流れは引き続き個人主体による中小型株にシフトしやすく、値動きの強い材料株等に短期の値幅取り狙いの資金が集中することになりそうである。ただし、マザーズ指数は足元5営業日続伸で1100ポイント乗せといった強さが目立っているが、売買代金について昨日はやや減少している。買い疲れ感も出ていると考えられ、いったん利益確定の流れに向かうと幅広い銘柄に売りが広がる可能性もあるため、先高感は強いものの、やや慎重姿勢にもなりそうだ。

また、参加者が限られているとはいえ、米国ではアップルの時価総額が2兆ドルを超えるなどクオリティ株への物色は続いているが、半導体株は総じて軟調であり、グロース株へのシフトが強まる展開にもなりづらいところ。ソフトバンクG<9984>など、指数インパクトの大きい値がさ株を睨みながらの展開になりそうだ。


■古野電、21/2期業績予想 営業利益15億円

古野電<6814>は2021年2月期の業績予想を発表。売上高は前期比4.9%減の790億円、営業利益は同37.8%減の15億円を見込んでいる。コンセンサス(12億円程度)を上回る。主力の舶用事業においては、各国の感染症対策に伴う経済活動の停滞により一時的に売上高が落ち込んだものの、徐々に回復に向かう見通し。産業用事業は、長距離移動自粛等の影響により車載器関連の売上高が減少するが、それ以外の商材の売上は堅調に推移する見通しとした。無線LAN・ハンディターミナル事業においては、感染症により、入札及び工事スケジュールの遅れが懸念されるものの、「GIGAスクール構想」に伴う第2四半期以降の大幅な増収を見込んでいる。


■前場の注目材料
・日経平均は上昇(23110.61、+59.53)
・1ドル106円00-10銭
・日銀のETF購入
・米経済対策効果への期待
・コロナ向けワクチン開発の進展


・トヨタ<7203>印でサブスク、初年度10都市、相乗り減・ニーズ多様化
・武田薬<4502>大衆薬子会社売却へ、米投資会社に3000億円規模
・大有機化<4187>三菱ケミから化粧品用アクリル樹脂事業を買収
・マクセルHD<6810>新電池開発、NEDO助成事業に
・住友商事<8053>イスラエルの水素製造技術開発企業へ出資
・三菱自<7211>小型トラックを比から輸出、東南アに資源集中
・パナソニック<6752>ライブを効率配信、映像編集基盤開発
・富士通<6702>サイバー攻撃遮断機器、工場—会社に通信制限
・マクセルHD<6810>車載映像補正アルゴリズム開発9面
・大成建設<1801>モノプラスと病院で自律ロボ実証、患者の状態を遠隔確認12面
・多木化学<4025>水処理剤増産、千葉工場に生産設備追加
・出光興産<5019>BDO製販から撤退、独BASFと合弁解消
・日本製紙<3863>金属イオンで抗ウイルス効果、変性セルロース
・大日本住友製薬<4506>米で子宮筋腫適応症薬の新薬承認申請


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情報提供元: FISCO
記事名:「 前場に注目すべき3つのポイント~中小型株へのシフトもやや買い疲れ感