16日の日経平均は反落。175.14円安の22770.36円(出来高概算14億7500万株)で取引を終えた。米国ではモデルナが、開発中の新型コロナウイルスワクチンの初期の治験で、参加者全員に抗体の生成が確認できたと発表し実用化期待から急伸したが、昨日の段階で織り込まれていた。日経225先物はナイトセッションで一時23000円を回復しており、いったんは利食いも意識されるところだろう。

また、米国同様、これまで相場をけん引していたハイテク株への利食いが強まる一方で、バリュー株への見直す流れとなった。ただし、上海の下落も利食いに向かわせた一因とはなったが、22700円を上回って取引を終えており、全体としては底堅さが意識されている。

東証1部の騰落銘柄は値下がり数が1300を超えており、全体の6割を占めている。セクターでは医薬品、電力ガス、情報通信、サービス、精密機器、電気機器が軟調。半面、空運、不動産、その他金融、鉄鋼、繊維、水産農林がしっかり。指数インパクトの大きいところでは、東エレク<8035>、中外薬<4519>、ファナック<6954>、ソフトバンクG<9984>、エムスリー<2413>が軟調。一方で、ファーストリテ<9983>、京セラ<6971>、住友不<8830>がしっかり。

日経平均は寄り付き直後に付けた22925.90円を高値にこう着感が強まり、後場半ばには22739.42円と日中を通じて利益確定の流れが続いた。4-6月GDPが2期ぶりにプラスとなった中国が利食い優勢となったほか、前引け後には都内の新型コロナウイルス感染者数が280人台と伝わったことも手掛けづらくさせていた。ただし、ハイテク株への利食いが強まる一方で、バリュー株が底堅い値動きをみせており、このところ目立っていたグロース売り、バリュー買いといった流れが続いている格好だろう。もっとも、バリューが継続的に続くとみる向きは少なく、そのため方向感を掴みづらくさせている面もありそうだ。

とはいえ、今晩の米国市場が前日のようにバリュー株中心の上昇をみせてくるようだと、この流れが続く可能性はあるだろう。ファンド等はこれまでの上昇局面においてハイテクなどグロース株に資金シフトを続けていたこともあり、この巻き戻しの流れが本格化してくるようだと、大きく調整している資源株等への見直す動き等が強まる可能性はありそうだ。



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情報提供元: FISCO
記事名:「 ハイテク株への利食いが強まる一方で、バリュー株が底堅い値動き【クロージング】