9日の日経平均は大幅に反発。535.11円高の23739.87円(出来高概算11億4000万株)で取引を終えた。トランプ大統領は、イランがイラクに駐留する米軍の拠点を攻撃したことを受けて国民向けに演説し、反撃に言及せず、事態悪化避けたい姿勢を明確に示したことが材料視された。シカゴ日経225先物清算値は大阪比370円高の23520円と大幅に上昇する中、これにサヤ寄せする格好から、日経平均は23500円を回復して始まった。その後も断続的なインデックスに絡んだ資金が流入しており、大引け間際には23767.09円まで上げ幅を拡大させ、本日の高値圏で取引を終えている。

東証1部の騰落銘柄は、値上がり数が1900を超えており、全体の9割を占めている。セクターでは原油安が嫌気された鉱業、石油石炭の2業種が下落した他は、31業種が上昇。情報通信、電気機器、海運、精密機器、金属製品、その他金融の上昇率が2%を超えている。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>、ソフトバンクG<9984>、東エレク<8035>、テルモ<4543>、京セラ<6971>、TDK<6762>、アドバンテスト<6857>がけん引。

日経平均は75日線を支持線にリバウンドをみせ、マドを空けての上昇で25日線を突破してくるなど、中東情勢が要因ながらも、テクニカル面では理想的な上昇となっている。ただし、出来高が11億株台にとどまっているなど、商いが膨らまない中でインデックスに絡んだ資金が押し上げた印象が強い。主力株の底堅さから押し目買い意欲は強そうであるが、これだけ薄商いの中でのボラティリティの大きい相場展開が続く状況下では、ポジションを積み上げづらいところでもある。

3連休を控えていることから明日も商いは膨らみづらい中で、目先的にはショートカバー中心の物色が続きそうである。中小型株についても強いトレンドが継続している銘柄への順張りスタンスでの短期的な上値追いが中心となろう。

その他、明日はファーストリテの決算が嫌気される格好から、指数が弱含む局面においては、インデックス売りの影響を受けたハイテク株等へは、押し目拾いの流れが強まる可能性がありそうである。



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情報提供元: FISCO
記事名:「 ファーストリテ決算で弱含む局面は、ハイテク株等へは押し目拾いの好機【クロージング】