■NY株式:NYダウ10ドル高、香港情勢悪化を嫌気

米国株式相場はまちまち。ダウ平均は10.25ドル高の27691.49、ナスダックは11.04ポイント安の8464.28で取引を終了した。本日はベテランズ・デーの祝日で債券市場が休場。香港の条例改正案を巡る抗議行動が激化しているほか、前週の株価上昇を受けた利益確定の動きも広がり、朝方から下落して始まった。今週開催予定のパウエルFRB議長の議会証言や米中協議の行方を見極めたいとの思惑から下げ幅を縮小したものの、小動きとなった。セクター別では、耐久消費財・アパレルやテクノロジー・ハード・機器が上昇する一方で公益事業やヘルスケア機器・サービスが下落した。

航空機大手のボーイング(BA)は、「737MAX」について、来年1月に運航を再開する見通しを示し上昇。ドラッグストアのウォルグリーン・ブーツ・アライアンス(WBA)は、プライベート・エクイティ(PE)が同社の非公開化計画を正式に打診したことが明らかとなり堅調推移。電気自動車のテスラ (TSLA)は、一部アナリストによる目標株価引き上げを受け買われた。一方で、半導体のクアルコム(QCOM)は、モルガンスタンレーによる投資判断引き下げを受け下落した。

経営難に陥っていることが指摘されているシェアオフィス事業を手がけるウィーワークは、新たなCEO候補者を検討しており、Tモバイル(TMUS)のレジャーCEOと協議したことが明らかとなった。

Horiko Capital Management LLC


■NY為替:

11日のニューヨーク外為市場でドル・円は、108円93銭から109円11銭まで上昇して引けた。米国のトランプ大統領が関税撤廃に関してまだ合意していないと発言したため、米中通商協議の行方を睨む慎重な展開が続いた。

ユーロ・ドルは、1.1043ドルまで上昇後、1.1031ドルまで反落して引けた。ユーロ・円は、120円24銭から120円41銭まで上昇。ポンド・ドルは、1.2886ドルまで上昇後、1.2850ドルへじり安推移した。英国の国内総生産(GDP)でのプラス成長回復を好感したポンド買いが続いたほか英国のブレグジット党代表、ナイジェル・ファラージ氏がジョンソン首相支持を表明したため与党勝利観測が強まりポンド買いが優勢となった。ドル・スイスは、0.9948フランへ上昇後、0.9929フランまで反落した。


■NY原油:反落で56.86ドル、OPECプラスによる追加減産の可能性低いとの見方も

NY原油先物12月限は反落(NYMEX原油12月限終値:56.86 ↓0.38)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物12月限は前日比-0.38ドルの1バレル=56.86ドルで通常取引を終えた。時間外取引を含めた取引レンジは56.25ドル−57.40ドル。石油輸出国機構(OPEC)とロシアなどの主要産油国で構成する「OPECプラス」は減産期限を延長することで合意するとの見方が広がっているが、市場参加者の間では「OPECプラスは追加減産を実行しない可能性がある」との見方が広がっており、原油先物は弱含みとなった。


■主要米国企業の終値

銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)

バンクオブアメリカ(BAC)  33.18ドル   -0.08ドル(-0.24%)
モルガン・スタンレー(MS) 49.09ドル   -0.06ドル(-0.12%)
ゴールドマン・サックス(GS)219.03ドル  -3.88ドル(-1.74%)
インテル(INTC)        58.35ドル   +0.08ドル(+0.14%)
アップル(AAPL)        262.20ドル  +2.06ドル(+0.79%)
アルファベット(GOOG)    1299.19ドル -12.18ドル(-0.93%)
フェイスブック(FB)     189.61ドル  -1.23ドル(-0.64%)
キャタピラー(CAT)      148.00ドル  -0.16ドル(-0.11%)
アルコア(AA)         22.22ドル   -0.31ドル(-1.38%)
ウォルマート(WMT)      119.04ドル  -0.40ドル(-0.33%)
スプリント(S)         5.91ドル   -0.20ドル(-3.27%)



<SF>

情報提供元: FISCO
記事名:「 11日の米国市場ダイジェスト:NYダウ10ドル高、香港情勢悪化を嫌気