11日の日経平均は7営業日続伸。205.66円高の21597.76円(出来高概算16億8000万株)で取引を終えた。米中協議の進展期待のほか、米国の長期金利の上昇、為替相場の円安の流れを受けて、昨日同様、金融株などへの修正リバウンドの流れが強まっている。じり高基調が続いた日経平均は、後場に入ると一時21619.21円と7月末以来の水準まで上げ幅を広げる局面もみられた。売買代金は2.7兆円を超えており、8月2日(2.8兆円)以来、約1カ月ぶりの水準まで膨れている。

東証1部の騰落銘柄は、値上がり数が1800を超えており、全体の8割を占めている。セクターでは不動産、その他製品が小幅に下落した他は、31業種が上昇。鉱業、証券の上昇率が4%を超え、銀行、石油石炭、非鉄金属の上昇率が3%を超えている。指数インパクトの大きいところでは、ファナック<6954>、KDDI<9433>、ホンダ<7267>が堅調。一方で、ファーストリテ<9983>、中外薬<4519>、ソフトバンクG<9984>が冴えない。

特に指数インパクトの大きいファーストリテ、ソフトバンクGが冴えないなかで日経平均は200円を超える上昇をみせており、TOPIX型優位の展開となっている。週末に先物オプション特別清算指数算出(SQ)が控えているため、限月交代に伴うロールオーバーが中心ではあるが、節目の21500円を突破したことにより、権利行使価格の中心レンジの切り上がりが意識されている。相対的に売り込まれていたセクターや銘柄などへの買い戻しといったリバランスの流れではあろうが、水準が切り上がることでよりショートカバーを誘う込みやすいだろう。

日経平均は8月戻り高値を捉えており、やれやれの売りも出やすい水準であり、引き続き強弱感が対立しやすいところである。権利行使価格が21500円処から21750円処まで切り上がりを見せてくる相場展開も意識しておきたいところであろう。また、米中協議への進展への期待感はあるものの、総強気ムードにはなりづらいところである。そのため、これまで強いトレンドを形成していた銘柄への利益確定に対して、出遅れている銘柄への巻き戻しといったスタンスになろう。



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情報提供元: FISCO
記事名:「 売り込まれていた銘柄への買い戻しといったリバランスの流れ【クロージング】