15日のドル・円相場は、東京市場では108円14銭から108円75銭まで反発。欧米市場でドルは108円33銭まで下げた後に108円77銭まで反発し、108円68銭で取引を終えた。

本日16日のドル・円は、主に108円台後半で推移か。英国議会で欧州連合(EU)離脱協定案は大差で否決されたが、現時点で金融市場に大きな混乱は生じていない。米国株高を意識してリスク回避的な円買いは抑制されるとみられる。

英国議会下院は15日、メイ首相のEU離脱協定案を反対432、賛成202で否決した。議会での否決は大方の予想通り。報道によると、野党・労働党のコービン党首は採決結果を受け、メイ政権の不信任案を提出した。採決はロンドン時間16日午後7時に行われる予定だが、市場関係者の多くは不信任案は否決されると予想している。

メイ首相は超党派の議員らと協議すると述べているが、政権に好都合の案が提示されるとの見方は少ないようだ。EUのトゥスク大統領は「EUにとどまることが英国に取り唯一の前向きな解決策」との考えを示したと伝えられている。英国政治の流動化は避けられないとの見方は多いものの、EU離脱協定案が議会で否決されたことは、世界経済に重大な影響を与える事象ではないようだ。目先的にポンド相場は不安定な状況が続く可能性があるものの、各市場でリスク回避的な取引が拡大する可能性は低いとみられる。




<CS>

情報提供元: FISCO
記事名:「 今日の為替市場ポイント:米国株高などを意識してリスク回避的な円買い抑制も