20日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■株式見通し:日経平均は年初来安値も個別では次第に冷静な値動きに
■前場の注目材料:岡野バル、2018年11月期営業赤字に修正
■大正薬HD、仏医薬品を買収、1823億円、一般用、欧市場に参入

■日経平均は年初来安値も個別では次第に冷静な値動きに

20日の日本株市場は、引き続き不安定な相場展開になろう。19日の米国市場ではNYダウが350ドル超の下落となった。買いが先行して始まったが、FOMC(連邦公開市場委員会)では大方の予想通り利上げを実施し、発表後に下げに転じている。2019年の利上げ予想回数を2回へ引き下げ、パウエルFRB議長も将来のデータ次第で金融政策変更の可能性にも言及したが支援材料とはならなかった。この流れを受けてシカゴ日経225先物清算値は大阪比290円安の20630円となり、これにサヤ寄せする格好からのギャップ・ダウンでのスタートとなろう。円相場は1ドル112円40銭台で推移している。

日経平均は3月に付けた年初来安値を更新する可能性があるが、前日にTOPIXが年初来安値を更新しており、ある程度は予想されていた展開といったところであろう。まずは、安値更新後の底堅さを見極めたいところである。また、FOMCの結果についても予想通りの内容であり、改めて嫌気するというよりは、薄商いの中をインデックスに絡んだ商いによって振らされる展開であり、個別では冷静な値動きをみせてくる可能性はありそうだ。

もっとも、ハイテクセクターについては、マイクロン・テクノロジーが下方修正を発表していることもあり、嫌気売りを誘う流れになりそうだ。指数インパクトの大きいソフトバンクG<9984>のほか、値がさのハイテク株の弱い値動きが日経平均の重石になりやすい。

一方で、ソフトバンク<9434>は、公開価格割れでセンチメント悪化が警戒されるが、足元では不安材料もあっただけに、一先ずイベント通過となり、インデックス需要が見込まれる来月末に関心が向かうことになろう。

また、昨日はサンバイオ<4592>の効果もあり、マザーズ指数は反発した。直近の下落幅からは自律反発の域は脱していないが、上昇した銘柄は比較的値持ちの良い展開となっている。需給懸念は根強い状況ではあるが、直近IPO銘柄でも強い値動きをみせる銘柄もあり、資金が向かいやすい材料株などへも短期的な値幅取り狙いの商いが膨らみやすいだろう。


■岡野バル、2018年11月期営業赤字に修正

岡野バル<6492>は19日、2018年11月期決算修正を発表。売上高は前期比8.8%減の75.77億円(従来は81.50億円)、営業損益は0.67憶円の赤字(同1.70億円の黒字)に下方修正した。柏崎刈羽原子力発電所向けの大型案件が次期へ繰延べとなったほか、バルブ事業においても島根原子力発電所2号機向けの一部が納期変更により次期へ繰延べとなるなど減収要因が重なった。


■前場の注目材料

・米原油先物は上昇(47.20、+0.96)
・1ドル112円50-60銭
・米長期金利は低下
・日銀のETF購入
・好調な企業業績

・アマダHD<6113>国内3工場新設、IoT活用で人手不足対策、協力会社に貸与
・大正薬HD<4581>仏医薬品を買収、1823億円、一般用、欧市場に参入
・パナソニック<6752>ベトナムで住設参入、現地企業と提携
・日本郵政<6178>アフラックに出資、2700億円規模、商品開発などで提携

☆前場のイベントスケジュール

<国内>
・特になし

<海外>
・09:30 豪・11月失業率(予想:5.0%、10月:5.0%)
・09:30 豪・11月雇用者数増減(予想:+2.0万人、10月:+3.28万人)




<SF>

情報提供元: FISCO
記事名:「 前場に注目すべき3つのポイント~日経平均は年初来安値も個別では次第に冷静な値動きに