■NY株式:NYダウは59ドル安、対中貿易摩擦への懸念が相場の重し

米国株式相場はまちまち。ダウ平均は59.47ドル安の25857.07、ナスダックは21.62ポイント高の7924.16で取引を終了した。米下院共和党が週内に新たな減税策を発表するとの思惑から、買いが先行したものの、米中貿易摩擦懸念が根強いほか、トランプ大統領がツイートで携帯端末のアップル(AAPL)に対して米国への生産移管を要求するなど、上値の重い展開となった。セクター別では、耐久消費財・アパレルや運輸が上昇する一方でテクノロジー・ハード・機器やヘルスケア機器・サービスが下落した。

電気自動車のテスラ(TSLA)は、週末に自動車部門の社長人事を新たに発表したほか、一部アナリストの買い推奨を受け上昇。一方で、中国電子商取引のアリババ・グループ(BABA)は、ジャック・マー会長が1年後に退任する意向を発表し下落。メディアのCBS(CBS)は、ムーンベスCEOがセクハラ疑惑を受けて辞職し軟調推移。写真共有アプリを手掛けるスナップチャット(SNAP)は、最高戦略責任者の退社が報じられ売られた。

大型ハリケーン「フローレンス」が米南部に接近しており、今週半ばにノースカロライナ州及びサウスカロライナ州に上陸する見通し。既にカテゴリー4の勢力に達しており、昨年にテキサス州湾岸部を直撃した「ハービー」のような甚大な被害をもたらせば、株式相場への影響が予想される。

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■NY為替:ポンド強含み、英国の合意ないEU離脱懸念が後退

10日のニューヨーク外為市場でドル・円は、111円03銭から111円25銭まで上昇し111円12銭で引けた。英国の合意ない離脱への警戒感が後退しクロス円絡みの買いが加速したほか、良好な雇用統計を受けた米国の追加利上げ観測に、日米金利差の拡大観測を受けたドル買い・円売りが続いた。

ユーロ・ドルは、1.1569ドルから1.1616ドルまで上昇し、1.1594ドルで引けた。イタリアの債務懸念が後退したほか、英国の欧州連合(EU)離脱で合意ない離脱への警戒感が後退し、ユーロの買戻しが優勢となった。ユーロ・円は、128円54銭から129円07銭まで上昇。ポンド・ドルは、1.2936ドルから1.3052ドルまで上昇した。欧州連合(EU)のバルニエ離脱主席交渉官が、6-8週間以内に英国と合意することは「現実的」と楽観的見解を示したため、ポンドの買戻しが加速。ドル・スイスは、0.9722フランから0.9755フランまで上昇した。


■NY原油:続落で67.54ドル、主要産油国の増産観測台頭

NY原油先物10月限は続落(NYMEX原油10月限終値:67.54 ↓0.21)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物10月限は前日比−0.21ドルの67.54ドルで通常取引を終えた。時間外取引を含めて67.33ドルまで売られた。サウジアラビアとロシアの原油生産が増加するとの思惑が浮上したことが要因。イラン原油の輸入停止措置が講じられることから、需給ひっ迫への懸念はあるものの、主要産油国による増産によって供給不足に陥る事態は回避される可能性があるとみられている。


■主要米国企業の終値

銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)

バンクオブアメリカ(BAC)  30.82ドル   -0.04ドル(-0.13%)
モルガン・スタンレー(MS) 47.94ドル   -0.28ドル(-0.58%)
ゴールドマン・サックス(GS)231.91ドル  -2.00ドル(-0.86%)
インテル(INTC)        46.30ドル   -0.15ドル(-0.32%)
アップル(AAPL)        218.33ドル  -2.97ドル(-1.34%)
アルファベット(GOOG)    1164.64ドル -0.19ドル(-0.02%)
フェイスブック(FB)     164.18ドル  +1.14ドル(+0.70%)
キャタピラー(CAT)      142.05ドル  +0.73ドル(+0.52%)
アルコア(AA)         42.01ドル   +1.01ドル(+2.46%)
ウォルマート(WMT)      96.90ドル   +1.07ドル(+1.12%)
スプリント(S)         6.05ドル   +0.10ドル(+1.68%)








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情報提供元: FISCO
記事名:「 10日の米国市場ダイジェスト:NYダウは59ドル安、対中貿易摩擦への懸念が相場の重し