3日のドル・円相場は、東京市場では111円14銭から110円76銭まで反落。欧米市場でドルは111円01銭から110円51銭まで反落し、110円58銭で取引を終えた。

本日4日のドル・円は、110円台半ばで推移か。通商問題を巡る米中の対立は続いており、目先的にリスク選好的なドル買い・円売りはやや抑制される可能性がある。

中国人民銀行(中央銀行)の易綱総裁は3日「人民元相場を合理的かつ均衡の取れた水準で基本的に安定を維持する」と述べた。また、中国人民銀行副総裁で国家外為管理局(SAFE)局長を兼任する潘功勝氏も「人民元を合理的なレンジで安定させることに自信を持っている」との見方を示した。

中国本土株の主要指標である上海総合指数は3日の取引でやや反発したが、中国人民銀行総裁・副総裁の発言を受けて4日の取引で続伸する可能性があるとみられている。6月中旬以降、人民元安・米ドル高が急速に進行していたが、中国人民銀行は意図的な人民元切り下げを否定していることから、人民元相場は6月上旬の1ドル=6.39-6.40元の水準を回復する可能性がある。

市場関係者の間からは、「中国人民銀行は人民元相場の急騰も急落も望んでいないはず」との声が聞かれているが、「人民元を合理的なレンジで安定させることは市場介入が実施される可能性が高いことを示唆している」との指摘も少なくない。人民元相場の合理的なレンジを巡って市場と中国人民銀行の見解が異なる場合、中国人民銀行による市場介入が頻繁に実施される可能性は否定できないだろう。




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情報提供元: FISCO
記事名:「 今日の為替市場ポイント:通商問題を巡る米中対立を警戒してリスク選好的なドル買い抑制も