2日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■株式見通し:名実ともに新年度入り
■決算チェック:高島屋の18年2月期営業利益は4%増の公算、予想やや下振れも影響限定的か
■前場の注目材料:日立、災害対策で官民チーム、ANA<9202>など参加


■名実ともに新年度入り

引き続き、米国と為替をにらみながらも需給の好転から底堅さを増す展開が予想される。11週連続で売り越す海外投資家も3月第2週に続き第3週も、投資主体別売買動向による売り越し幅は減少しており、減少していた裁定買い残も23日をボトムに増加傾向に転じている。過去10年と同様に4月に海外投資家が買いに転じてくるようだと、上値を試す場面もありそうだ。

また、名実ともに新年度入りとなる2日は、企業の現状と先行きのマインド指数である四半期大企業製造業業況判断DIや企業想定為替レートと業績見通しを含む日銀短観が寄付き前に発表される。調査回答期間が2月末から3月末と国内政治と海外リスクが紛糾していた時期の調査だけに、その内容が注目される。最もポイントとなるのは想定為替レートだが、より為替の前提条件が厳しく設定されながらポジティブな結果が出た場合、日本株買いのきっかけとなる可能性も秘めているだろう。

日経平均は僅かではあるが、200日線をサポートしつつ、25日線を捉える場面がみられた。海外勢のフローは限られているほか、金融セクターの弱さを見る限りでは調整トレンドの中でのリバウンドといったところであるが、新年度相場入りとなる今週以降の動向が注目されよう。

米ハイテク株の不安定な値動きが収まるようであれば、日経平均は25日線の抵抗をクリアし、リバウンドが試されることになりそうだ。地政学リスクが一先ず和らいでいることも、リスク選好に向かわせやすいだろう。もっとも、金融セクターのリバウンドが本格化してこないと、自律反発の域は脱せない可能性はある。

(株式部長・アナリスト 村瀬智一)


■高島屋の18年2月期営業利益は4%増の公算、予想やや下振れも影響限定的か

高島屋<8233>の18年2月期営業利益は前期比4%増の355億円程度だったようだと報じられている。同社の従来予想及び市場コンセンサスは360億円程度で、若干下回ったようだが10年ぶりの高水準を確保したもよう。訪日客消費の好調で化粧品を中心に販売が伸長し、1月までの株高による資産効果で宝飾品など高額品の販売も伸びたという。ただ、直近では寒波・降雪の影響に加え、株価の調整で資産効果が薄たこともあり、高島屋・国内百貨店子会社の2月の売上高は前年比0.3%減と7カ月ぶりのマイナスを記録している。株価も1月4日高値1213円を直近のピークとして、3月26日安値960円まで21%弱下押した。市場予想に若干届かないという今回の観測報道が同社株価に及ぼす影響はおおむね中立的なものだろう。なお、19年2月期業績は株式相場の動向に影響を受けそうだと指摘されている。株高・円安基調に戻れば、富裕層向け高額品の販売拡大や訪日客消費の好調持続への期待から、同社株価も出直り基調に入る可能性が出てきそうだ。


■前場の注目材料

・日経平均は上昇(21454.30、+295.22)
・マザーズは上昇(1206.24、+20.65)
・日銀、大規模な金融緩和を維持
・IPO活況、個人投資家の物色意欲強い
・訪日客の恩恵、地域に広がり
・都内ホテル稼働率、2ヶ月連続上昇
・1月電子部品出荷額、14カ月連続で前年同月上回る

・日立<6501>、災害対策で官民チーム、ANA<9202>など参加
・NEC<6701>、IoT機器向けサイバー防衛、来年度実用化


☆前場のイベントスケジュール

<国内>
・特になし

<海外>
・10:45  中・財新製造業PMI(3月)  51.7  51.6



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情報提供元: FISCO
記事名:「 前場に注目すべき3つのポイント~名実ともに新年度入り