22日のドル・円相場は、東京市場では106円09銭から105円58銭まで下落。欧米市場でドルは105円26銭まで下げた後に105円82銭まで戻したが、株安などを嫌って105円27銭まで反落し、105円28銭で取引終了。

本日23日のドル・円は、主に104円台後半で推移か。世界的な貿易摩擦懸念やトランプ政権運営への先行き不透明感を背景にドル売り・円買いが加速している。日経平均株価の動きをにらみながら、104円台半ばから後半の水準での神経質な展開が予想される。

トランプ米大統領は22日、通商法301条に基づき中国の知的財産権侵害に対する貿易制裁として、中国に対して少なくとも年500億ドル相当の関税賦課を適用する措置を正式に表明した。これを受けて、世界的な貿易摩擦への懸念が一段と高まり、米株式市場が大幅に下落。このため、リスク回避目的の円買いが加速した。また、米長期金利の低下もドル売りを促している。

さらに、トランプ米大統領は同日のツィッターで、マクマスター米大統領補佐官(安全保障担当)の更迭を発表し、後任にボルトン元国連大使を任命すると表明。相次ぐ閣僚や高官の離職を背景にトランプ政権運営についての先行き不透明感も強まり、ドル売り・円買いが一段と加速し、心理的な節目とみられている105円台を割り込んだ。

本日の東京市場は週末要因の持ち高調整の動きが入り、主に104円台後半で推移する展開が予想される。ただ、日経平均株価が大きく下げた場合は、もう一段の円高・ドル安の可能性も残されている。



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情報提供元: FISCO
記事名:「 今日の為替市場ポイント:引き続き日経平均株価の動向を注視へ