21日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■株式見通し:内需からハイテク株等へ資金シフト
■決算チェック:住友重の18年3月期営業利益は38%増の公算、コンセンサス水準を上回る内容に
■前場の注目材料:パナソニック、CO2冷媒技術開放へ、来年度、普及優先


■内需からハイテク株等へ資金シフト

21日の日本株市場は、連休明けの米国市場の下落の影響から売りが先行しようが、その後は底堅い相場展開になろう。20日の米国市場は小売大手のウォルマートの決算が嫌気されたほか、長期金利の上昇等を受けて利益確定の流れが強まった。これを受けてシカゴ日経225先物清算値は大阪比75円安の21855円となり、朝方はこれにサヤ寄せする格好となろう。

ただし、ウォルマートの決算の影響が大きい半面、半導体関連などは全般堅調に推移している。そのため、足元で続いている内需系への物色が一服する半面、ハイテク株等への物色がシフトする格好でのリバランスにより、日経平均は底堅い値動きになりそうである。

もっとも、21日に米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録が公表される。そこで3月の利上げが確実視され、さらに年間の利上げ回数が3回の見通しから4回に変わる可能性もある。長期金利が急上昇する局面でのVIX指数を含めた市場の反応が注目されよう。そのため、米国市場の反応を見極めたいとするムードから、上値追いは慎重になるだろう。

FOMC議事録を受けて、金融株のほか、足元でリバウンドをみせてきている半導体関連への物色が続くようだと、日本市場のセンチメントも明るくさせそうだ。

(株式部長・アナリスト 村瀬智一)


■住友重の18年3月期営業利益は38%増の公算、コンセンサス水準を上回る内容に

住友重<6302>の18年3月期営業利益は従来予想(600億円)を上回る前期比38%増の670億円程度なりそうだと報じられている。売上高も同2割増の8000億円程度と従来予想(7800億円)を上回ったとみられる。中国や北米を中心に油圧ショベルの販売が上振れしたことが主な要因となるほか、インフラ投資の拡大を背景に受注が増加基調で推移している。また、資源価格回復による鉱山機械などに使う大型減速機の需要も持ち直したという。受注競争が激しく船価が低迷する造船事業は低迷が続く見通しだが、旺盛な省人化投資及びIT関連投資需要の拡大などを背景に、建設機械や半導体製造装置などの販売が好調に推移していることから、2008年3月期以来10年ぶりの営業益水準へと改善する見込みだ。また、19年3月期についても報道と同様、良好な事業環境が続く見通しだ。市場コンセンサスでも18年3月期営業利益は620億円強と見込まれており、今回の報道はコンセンサス水準を上回る内容となった。株価も13日に年初来安値をつけたばかりであることから、物色が向かう可能性が意識されやすい。


■前場の注目材料

・SOX指数は上昇(1341.53、+23.21)
・NY原油は上昇、(61.90、+0.22)
・マザーズは上昇(1216.07、+6.83)
・ドル円、1ドル107円20-30銭
・日銀、大規模な金融緩和を維持
・好業績銘柄への資金シフト


・パナソニック<6752>、CO2冷媒技術開放へ、来年度、普及優先
・海底地形図、全世界で整備へ 日本財団など 災害予測に生かす


☆前場のイベントスケジュール

<国内>
・10:10  国債買い入れオペ(残存期間1年超5年以下と5年超10年以下)(日本銀行)

<海外>
・特になし



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情報提供元: FISCO
記事名:「 前場に注目すべき3つのポイント~内需からハイテク株等へ資金シフト