11日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■株式見通し:自律反発意識も短期的な値幅取りにとどまる、アップルやEV関連など注目
■外資系証券の注文動向:差し引き420万株の買い越し
■前場の注目材料:米債務上限引き上げ成立、デフォルト当面回避


■自律反発意識も短期的な値幅取りにとどまる、アップルやEV関連など注目

11日の日本株市場は、自律反発が意識されるものの、こう着感の強い展開は続きそうだ。警戒されていた北朝鮮による9月9日の建国記念日においてのICBMの発射は行われなかったこともあり、一先ず安心感につながろう。しかし、9日の北朝鮮・労働新聞(電子版)では、ICBMなど「最先端武器」をさらに製造していかなければならないと主張。米国は北朝鮮への新たな制裁のため11日に国連安全保障理事会で決議案の採決を求める。北朝鮮への石油禁輸は実現とはならないだろうが、新たな制裁内容次第ではミサイル発射の可能性もあるとみられ、懸念要因が払拭されることはさなそうだ。

また、足元で円高傾向が強まってきていることも手掛けづらさにつながりそうである。米国の利上げ観測が後退し、米長期金利が低下するなか、日米金利差の縮小を見込んだ円買い・ドル売りも入りやすい。さらに米国では先日の大型ハリケーン「ハービー」に続いて、観測史上最強レベルまで発達したハリケーン「イルマ」がフロリダ州を直撃するとみられており、被害拡大が警戒されることもドルが売られやすい地合いになろう。

そのため、積極的な売買は引き続き手控えられる可能性が高く、インデックスに絡んだリバランス中心の商いになりそうだ。一方で、足元で急落による需給悪化が警戒される中小型株であるが、強制ロスカットに伴う需給整理は進捗し、一先ず一巡したとみられる。イレギュラー的に下落した銘柄等への自律反発を狙った短期的な資金は入りやすい。

イベントではアップルの新製品発表会を控えて電子部品等のアップル関連のほか、AR/VR、顔承認、ワイヤレス給電、有機ELといった分野への波及が期待される。また、独・フランクフルト国際自動車ショーが開幕するため、足元で好調な次世代電池への関心も続きそうである。

(株式部長・アナリスト 村瀬智一)


■外資系証券の注文動向:差し引き420万株の買い越し

朝の外資系証券5社経由の注文状況は、売り1030万株、買い1450万株、差し引き420万株の買い越しとの観測。

09月4日(月):190万株の売り越し
09月5日(火):157万株の売り越し
09月6日(水):270万株の売り越し
09月7日(木):690万株の買い越し
09月8日(金):690万株の買い越し


■前場の注目材料

・米債務上限引き上げ成立、デフォルト当面回避
・NYダウは上昇(21797.79、+13.01)
・日銀のETF買入れへの思惑
・シカゴ日経225先物(19150、+10)
・米7月卸売在庫改定値、+0.6%(予想+0.4%)
・中堅のネット通販企業の評価高まる


☆前場のイベントスケジュール

<国内>
・特になし

<海外>
・特になし



<HT>

情報提供元: FISCO
記事名:「 前場に注目すべき3つのポイント~自律反発意識も短期的な値幅取りにとどまる、アップルやEV関連など注目