10日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■株式見通し:自律反発意識も連休控えポジション圧縮の流れ
■外資系証券の注文動向:差し引き50万株の売り越し
■前場の注目材料:三菱重工、リニア車両撤退、業績不振で事業を選別


■自律反発意識も連休控えポジション圧縮の流れ

10日の日本株市場はこう着感の強い相場展開が続こう。9日の米国市場は、北朝鮮情勢を巡る地政学リスクへの警戒感から下落。主要企業の決算も嫌気されている。シカゴ日経225先物清算値は大阪比25円高の19755円だった。

日経平均は前日に大きく下落した反動もあり、下げ渋りはみられよう。しかし、大幅下落によって一気に需給状況が悪化しており、連休も控えていることから、ポジション圧縮の流れが強まりやすいだろう。自律反発の動きも、戻りの鈍さが意識されてくるようだと、短期筋の売り仕掛け的な売買も警戒されてくる。

もっとも、決算発表がピークを迎えていることもあり、積極的なポジションは取っていないと考えられ、それ程需給は悪化していない可能性もある。特に個人主体の資金は回転が速いため、大きく下落したとしても、その時点でシコリは残らず、反対に需給改善が進むともみられる。

積極的な売買は手控えられそうだが、好業績銘柄やテーマ性のある銘柄などには、押し目買い意欲の強さが意識されよう。

(株式部長・アナリスト 村瀬智一)


■外資系証券の注文動向:差し引き50万株の売り越し

朝の外資系証券5社経由の注文状況は、売り1210万株、買い1160万株、差し引き50万株の売り越しとの観測。

08月03日(木):200万株の買い越し
08月04日(金):60万株の買い越し
08月07日(月):130万株の買い越し
08月08日(火):10万株の売り越し
08月09日(水):870万株の買い越し


■前場の注目材料

・好業績銘柄への物色意欲強い
・NY原油は上昇(49.56、+0.39)
・シカゴ日経225先物(19755、+25)
・工作機械受注、8カ月連続プラス
・相対的な日本株の出遅れ感

・三菱重工<7011>、リニア車両撤退、業績不振で事業を選別
・日本マクドナルドHD<2702>、最高益、今期見通し、日本独自商品が寄与
・ジャパンディスプレイ<6740>、今期特損1700億円、構造改革前途は多難
・トヨタ自<7203>、域内生産110万台、東南アに「ものづくりの鎖」
・日本電産<6594>、自動化ロボ参入、工場の省力投資にらむ
・日新薬<4516>、小田原工場に新棟完成、高生理活性品、受託製造も
・横河電<6841>、薬剤注入技術のノルウェー社を買収、石油・ガスで競争力向上
・エスペック<6859>、環境試験器に新冷媒採用、温室効果ガス排出規制対応


☆前場のイベントスケジュール

<国内>
・10:10  国債買い入れオペ(残存期間1年超5年以下)(日本銀行)
・11:00  都心オフィス空室率(7月)    3.26%

<海外>
・特になし



<HT>

情報提供元: FISCO
記事名:「 前場に注目すべき3つのポイント~自律反発意識も連休控えポジション圧縮の流れ