10日のドル・円相場は、東京市場では113円85銭から114円30銭まで上昇。欧米市場でドル・円は114円27銭から113円99銭で推移し、114円04銭で取引を終えた。

本日11日のドル・円は114円前後で推移か。米雇用拡大への期待は持続しているものの、米長期金利は伸び悩んでいることから、リスク選好のドル買い・円売りはやや抑制される可能性がある。

市場関係者の間では米国を含めた主要国の金利上昇に対する警戒感が広がっているようだ。世界最大のヘッジファンド、ブリッジウォーター・アソシエーツのレイ・ダリオ会長は6日付けのレポートで「中央銀行が景気刺激措置を繰り出す時代は終わる」との見方を示した。

米ブラックロックのアジアクレジット責任者ニーラジ・セス氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで「世界的な債券ニーズや、日銀にまだ金融政策に関して動きがないことを踏まえると、債券が大きく売られるようになるとは思わない」との見方を示しているが、同氏は欧州中央銀行(ECB)の行動(緩和策縮小)は米国と比べてインパクトが大きくなると指摘している。

市場関係者の多くは、今週行われるイエレン米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言内容は、米金利見通しに関する有力な手掛かり材料になると期待している。ただし、何らかの事情で欧州、日本の金融緩和策が市場関係者の想定を上回るペースで縮小した場合、米金利見通しに大きな影響を与える可能性は高いとみられており、市場関係者の間からは「レイ・ダリオ会長の見解を軽視することはできない」との声が聞かれている。




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情報提供元: FISCO
記事名:「 今日の為替市場ポイント:米長期金利伸び悩みでリスク選好の円売り抑制も