9日のドル・円相場は、東京市場では109円77銭から110円48銭まで反発。欧米市場でドル・円は110円81銭まで買われた後に110円13銭まで反落し、110円33銭で取引を終えた。

本日12日のドル・円は110円台で推移か。米追加利上げへの期待でリスク回避的な円買いはやや縮小する見込み。日経平均株価が下げ渋った場合、ドルは111円近辺まで買われる可能性がある。

米連邦準備理事会(FRB)は今週13-14日に連邦公開市場委員会(FOMC)を開催し、金融政策を決定する。政策金利(FFレートの誘導目標水準)は現在の0.75%-1.00%から1.00%-1.25%に引き上げられる見込み。市場関係者の間では追加利上げの理由について「国内労働市場は完全雇用の状態に近づきつつある」、「米経済成長の減速は一時的である可能性が高い」、「インフレ率は中期的に2%近辺での安定する」などの理由が挙げられているようだ。

前回(5月3日)公表されたFOMCの声明では、「消費の拡大継続を支える経済の基礎的諸条件は、引き続き堅調」、「企業の設備投資は安定している」との見解が表明されており、現時点でもこの状況は変わっていないことから、追加利上げが決定されることは妥当な判断であると思われる。

ただし、米インフレ見通しは不透明感を増している。4月のコアPCE価格指数は前年比+1.5%で今年1-3月の水準(+1.6%から+1.8%)を下回っている。今年3月時点のFOMC予測では、2017年12月時点のコアPCEは1.9%と予測されており、コアPCE価格指数が1.9%を下回る状態が続いた場合、利上げ継続は難しくなりそうだ。




<HT>

情報提供元: FISCO
記事名:「 今日の為替市場ポイント:米追加利上げへの期待でリスク回避の円買い縮小へ