8日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

・日経平均は大幅続伸、インデックス主導で一気にシグナルが好転
・ドル・円は伸び悩み、仏大統領選受けた買いは一巡か
・値上がり寄与トップはファーストリテ、同2位はファナックとなった。


■日経平均は大幅続伸、インデックス主導で一気にシグナルが好転

日経平均は大幅に続伸。349.49円高の19795.19円(出来高概算11億8000万株)で前場の取引を終えた。5日の米国市場では雇用統計の結果を受けてNYダウは反発。終値では3月3日以来、2ヶ月ぶりに21000ドルを回復している。シカゴ日経225先物清算値は大阪比(2日)225円高の19705円となり、これにサヤ寄せする格好から買いが先行。また、フランス大統領選の決選投票は、欧州連合(EU)の強化を訴える中道系独立候補のマクロン氏が勝利した。予想通りの結果ではあるが、EUの安定への期待から評価材料となった。

19700円を回復して始まった日経平均は、その後もじり高基調となり、19800円を回復する場面をみせている。19800円処では戻り売りなども意識されているようであり、強弱感が対立している。セクターでは33業種全てが上昇しており、鉱業、空運、保険、石油石炭、化学、サービス、建設、不動産、証券、電気機器が強い。東証1部の値上り数は1800を超えており、全体の9割を占める全面高商状となっている。

日経平均は買い先行で始まった後もじり高基調が続いており、年初からのもち合いレンジの上限を突破してきている。利食いも出やすい状況であろうが、一方でショートカバーも強まりやすく、強弱感が対立しやすい。ただし、現時点ではこれまでの抵抗線を上回っての推移が続いており、支持線として意識されてくることで一気にシグナルが好転してくる。今週は決算発表がピークとなることから決算を見極めたいとの模様眺めムードが次第に強まると考えられるが、需給状況が改善されるなか、決算通過後のアク抜けが意識されてきそうだ。

物色はインデックス主導の展開となっており、指数インパクトの大きい値がさ株のほか、主力大型株に向かっている。全面高商状であるが、きょうのところは中小型株にはシフトしづらいだろう。
(株式部長・アナリスト 村瀬智一)


■ドル・円は伸び悩み、仏大統領選受けた買いは一巡か

ドル・円は早朝の取引で一時113円13銭まで上昇したものの、足元は112円80銭付近で伸び悩む展開。7日に行われたフランス大統領選・決戦投票は、中道系候補のマクロン前経済相が国民戦線のルペン党首を押さえて当選。ただ、市場はマクロン氏の勝利を織り込んでいたため、リスク選好のドル買い・円売りはすでに一巡した可能性があろう。

ここまでのドル・円の取引レンジは112円60銭から113円13銭、ユーロ・円は123円40銭から124円60銭で推移(午前6時以降の高値は124円52銭)、ユーロ・ドルは1.0957ドルから1.1022ドルで推移した。

12時21分時点のドル・円は112円73銭、ユーロ・円は123円68銭、ポンド・円は146円02銭、豪ドル・円は83円36銭で推移している。

(為替・債券アナリスト 吉池威)


■後場のチェック銘柄

・田辺工<1828>やほぼ日<3560>など6社がストップ高。
※一時ストップ高(気配値)を含みます

・仏大統領選挙決選の世論調査
「マクロン候補62%、ルペン候補38%」
・フィッシャー米FRB副議長
「FRBは機械的なフォーミュラを導入する必要はない」

・値上がり寄与トップはファーストリテ<9983>、同2位はファナック<6954>となった。


☆後場の注目スケジュール☆

<国内>
09:00  衆院予算委員会で「安倍内閣の基本姿勢」について集中審議
14:00  消費動態度指数(4月)    43.9

<海外>
15:00  独・製造業受注(3月)    3.4%



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情報提供元: FISCO
記事名:「 後場に注目すべき3つのポイント~日経平均は大幅続伸、インデックス主導で一気にシグナルが好転